.赤羽業 【暗殺教室】

＊七夕なので ページ8

.






.









授業中ずっと考え込んでいたが、結局願い事は決まらないまま、放課後になってしまった。




今日中には、神社に持っていくという熱血的な七夕愛をかましてくれた先生を恨む。



確かに今日中に書かないと意味がないのだろうけど。









「......何にしよう」


「俺と一緒にいられますように、の一択しかないでしょ」


「それもいいかも......って、......業くん、人の願い事誘導させないで」









教室には一人だと思っていたが、いつの間にか彼が前の席に座っていた。



昼休憩に彼が何を書いたのかを見に行ってみたが、短冊には『世界平和』とだけ書いてあっただけだ。









「だって本当じゃん。早く書きなよ」



「世界平和って書いてたくせに....」









嫌味たらしくぼそりと呟いて、渋々短冊にペンを走らせる。






私だけ書くのは恥ずかしい、というより悔しかった。



何て、言えるはずもなく。









「じゃあ下駄箱で待ってるから、」



そう言って鞄を持ってすたすたと教室から出ていく彼の背中を見送った。









.









.









「あれ、業くん願い事変わってる....」









一人で短冊を結びに来て、彼の書いた短冊を手に取る。









それを読んで、静かに呟く。









「......願い事じゃないし、」









.









『Aが大好きです。』









.









.

＊薄れたソーダ味のアイス→←＊七夕なので

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す