＊ ページ20
紫「近衛兵になって初めて黒の軍服に袖通して、
初めて着いた任務は王子5歳の誕生日。
その宴の護衛だったの覚えてる？」
黄「だからどうしたんだよ」
紫「俺らさ、あそこまで登りつめる
ために色々してきただろ。
マジで女王に飼い殺しにされんだ
ろうなって思ってたよ。
王子と初対面するほんの10分前にも
人殺してて、、俺らは血生臭い筈なのに、
会った王子は笑ってんのよ。
初めはこういうの慣れてんのかと
思ったけど、なんかそうでもないような
気がして、、てか、覚えてる？」
黄「忘れたわ。だからなんだよ」
深澤は岩本に視線を移し、
そして見詰めながら言った。
紫「沢山傷ついてきたんだねって
言われたんだよ。
たった5歳児に。
それ聞いて救われたんだよ。
だから、こんな純粋で優しい人は
何が何でも守らないといけないって思った」
黄「で？」
紫「めっちゃ安直なのわかってる。
でも、あの人は希望だと思う」
黄「、、、希望？何に対して？」
岩本にすれば、深澤の訴えの内容と
女王への忠誠心を比べ、どちらか取れと
言われれば後方となる。
この職についた時点で希望などない。
けれど深澤がここまで言うのならと
理解への扉を開きはじめた。
紫「俺たち」
黄「俺たち？」
岩本は益々わからないと言ったところだった。
国や民衆なら分からんでもないが、
まさか俺たちとくるとは思わなかったのだ。
紫「どす黒い中で生きてきた俺に光をくれた。
あの時、あの子のいる未来が見えた気が
したんだよ。
今まで動けなかったのは照と同じで
忠誠心やらプライドやらと自問自答してたから。
そんなとこ」
やけに清々しく言う深澤に岩本は思わず
吹き出した。
黄「フハハハ！
なんかまだよく分かんないけど、
それ乗った！
お前のことだから先の事はしっかり
見えてるんだろうよ。
ていうか、まるで俺らの子供みたいな
言い方するな！」
笑いながら言う岩本の言葉に深澤の頬が
少ずつ赤く染まっていく。
それが岩本にばれないように深澤は、
笑いすぎだと岩本の背を叩いて誤魔化した。
岩本はそれを知ってか知らずか深澤の頭をポンと軽く置いて離す。
黄「1時間後に王子の部屋前集合な」
そう言い残して扉を開けて出て行った。
サンルームに残された深澤は、
顔を手掌で隠しながら岩本が出て行った扉を
見詰めた。
紫「あのバカ」
悪態をつく割にその顔はアネモネのように赤かった。
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赤いアネモネの花言葉は、君を愛す
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そじゆう(プロフ) - マニラさん» ありがとうございます！有難いお言葉のかずかず！ぬぁっはーんってなりました、、すみません。これからも宜しくお願いいたします。 (2020年9月2日 21時) (
レス) id: 3acb59dc5a (このIDを非表示/違反報告)
マニラ(プロフ) - いつも楽しみにしております！更新されるたびにもうわくわくしております！これからも応援しております＾＾ (2020年9月2日 9時) (レス) id: eb8f99c5bc (このIDを非表示/違反報告)
まっくろねこ(プロフ) - いえいえ！ご心配ありがとうございます！お互い無理せず、ですね！ (2020年8月17日 18時) (レス) id: 8ef0c34bc7 (このIDを非表示/違反報告)
そじゆう(プロフ) - まっくろねこさん» ありがとうございます！本当にありがとうございます！まっくろねこさんも無理なさらず頑張ってください！ (2020年8月17日 17時) (レス) id: 3acb59dc5a (このIDを非表示/違反報告)
まっくろねこ(プロフ) - 移行おめでとうございます！ワクワクしながら読んでます〜。暑いので無理せずに更新なさって下さい！！ (2020年8月17日 12時) (レス) id: 8ef0c34bc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そったん | 作成日時：2020年8月16日 14時
