第797話 ページ6
パンッ！
水無月は、乱暴に顎を掴んできた荼毘の手を横に弾いた
『前も言ったけど、アンタみたいなイカれた男と一緒にされるのは心外だ』
「つれねー奴」
『お生憎様。雄英じゃ適度な良い子ちゃんを演じてたけど、これが私だから』
「面白ェ冗談だな。お前、結構ヒーロー志望としてもギリギリの性格だったろ」
『しばくぞ』
水無月は黒いパーカーを着直して、歩き出す
『話が終わったなら、私はもう行く』
「行くって･･･死柄木んとこだろ。場所分かんのか」
『ドクターと一緒にいるとは聞いてる。ドクターのいる場所なら、いくつか検討はつくから』
「すぐに行けるぜ」
『？』
見ると、荼毘は耳に着けた通信機に手を当てていた
「お前と合流したら連絡しろって言われてたんだが、なぜかずっと通信状態が悪い」
『･･･あぁ、それはスクイーラーの"個性"だ』
「スクイーラー？」
水無月は廃工場の出入口の方に顔を向け、少し多めに息を吸う
『スクイーラー！もういい、"個性"を解除しろ』
呼び掛けると、出入口の外から一人の男が体を出した。
なんとその男は、水無月が起こさせた爆発事件で水無月と共に行方不明者として扱われた男。オリオン事務所のサイドキック、スクイーラーであった
『スクイーラーは、半径50メートル以内の通信機器を一時的に遮断する事ができる"個性"だ。電波妨害が得意だからGPSも盗聴器も監視カメラも一時的に使えなくなる。便利だろ』
「それよりアイツ、ヒーローじゃなかったか？」
『スクイーラーは元々、プロヒーローの情報を得る為に 私が送り込んでおいた奴だ』
「自分の部下を潜り込ませてたのか」
『いざという時に使えるかもしれないから。他にもサポートアイテムの会社とか、孤児院とか、警備会社とかにもいる。後は政治家の付き人とか』
「･･･」
荼毘は再び耳につけた通信機に手を伸ばす
「氏子さん、マスティマと合流した。後は頼む」
『･･･？』
水無月は、突如 自身の口から溢れ出たドロドロの液体に体を包まれ、その場から忽然と姿を消した
.
───
─
『ゲホッ！ゲホッ･･･う"ぇっ最悪！』
「久しいのうマスティマ」
『！』
立ち並んだ培養槽、そこから伸びる丸太のように太い管
薄暗く陰気な空間の奥から顔を出した、小太りな男
『･･･ドクター』
＊ ＊ ＊
九州での荼毘とのやりとりは、本編14の第628話です。
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結衣(プロフ) - 救いはあるのですよね？？？？ (4月27日 17時) (
レス) @page50 id: e25d5229fc (このIDを非表示/違反報告)
Sana(プロフ) - 更新ありがとうございますー！もうほんと！面白くて大好きです！これからも応援してま〜す！ (4月26日 19時) (レス) id: 3115c6fd91 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 好きです！！！まじで！！！！この小説が好きすぎて頭から離れません！綾林檎さんのペースで頑張って下さい (4月26日 17時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - めっちゃ面白すぎます！！！更新楽しみにしてます！！！ (4月26日 15時) (レス) id: 8f7b32c140 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - めっちゃ面白いです！展開が最高すぎます！これからのストーリーが楽しみです！ (4月25日 23時) (レス) @page45 id: 875ab28994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2024年2月7日 9時
