第796話 ページ5
『さっき自分で言ってたろ？私達は似た者同士だって』
「･･･」
自分の家族が憎くて憎くて仕方なくて、大嫌いで、復讐に命を燃やしてる。その上 その体質──･･･
『アンタ･･･轟家の長男の轟燈矢なんじゃないの？』
「･･･お前、まじエスパーだろ」
諦めたように手を下ろした荼毘に、水無月はクスリと笑う
『アンタの弟は随分私を信頼しているようでね。他のクラスメイトには話してない事も、私には色々話してくれる
家の事情は大体聞いた。そして思ったわ。もしも、その長男がまだ生きていて今の状況を見たら･･･さぞかし父親や家族を恨むだろうなって』
「･･････」
黙り込んだままの荼毘をそのままに、水無月は今度こそ帰ろうと背を向けて歩き出す
『安心して。私はこの世で唯一･･･アンタが生きている事を知った人間だけど、轟焦凍やエンデヴァーの前じゃ何も知らない顔して立っててあげる』
プラプラと手を振り、水無月は顔だけを荼毘の方に向けた。水無月は、光が差し込まない暗い海のような目をして笑っていた
『私、演技は得意だから』
.
.
水無月は溜息をつきながら、前髪をグシャッと掻き上げる
『アンタが何をするつもりかは知らないし、興味も無いけど･･･私は、アンタの邪魔も助けもするつもりはないから、付き纏うのはやめて。放っといて』
「散々 人を
荼毘は喉を鳴らして笑っている
『無理強いした事はないはずだけど？文句言うなら、どうして私の頼みを二つ返事で聞いたわけ』
「言ったはずだぜ？」
荼毘は水無月の顎をガッと乱暴に掴み、引き寄せた
「俺はお前が気に入ったってよ」
『･･･』
痛いほどに顔を掴まれているはずだが、水無月はやはり顔色一つ変えず、目と鼻の先にある荼毘の瞳をただ見ていた。青は青でも、少しエメラルドグリーンに近いその瞳を
『･･･』
＿＿＿轟焦凍と同じ、その瞳を。
「似た目的を持つ同志として、お前の復讐がどんな結末を迎えるのか、楽しみにしてる」
『･･･』
轟焦凍と同じ色をした その瞳には、感情の無い人形のような顔の自分が映っていた
『違うんだな』
「･･･何がだ？」
『いや、別に
･･･色は同じでも、全然違うもんだと思っただけ』
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結衣(プロフ) - 救いはあるのですよね？？？？ (4月27日 17時) (
レス) @page50 id: e25d5229fc (このIDを非表示/違反報告)
Sana(プロフ) - 更新ありがとうございますー！もうほんと！面白くて大好きです！これからも応援してま〜す！ (4月26日 19時) (レス) id: 3115c6fd91 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 好きです！！！まじで！！！！この小説が好きすぎて頭から離れません！綾林檎さんのペースで頑張って下さい (4月26日 17時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - めっちゃ面白すぎます！！！更新楽しみにしてます！！！ (4月26日 15時) (レス) id: 8f7b32c140 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - めっちゃ面白いです！展開が最高すぎます！これからのストーリーが楽しみです！ (4月25日 23時) (レス) @page45 id: 875ab28994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2024年2月7日 9時
