第829話 ページ38
「キミって恵まれた"個性"持ってるんだねぇ」
体の左に炎を纏い、右側を凍らせたアヴァリスは、両の掌から火花を散らせ笑っていた
「ま、俺程じゃないけど」
かっちゃんの爆破と、轟くんの半冷半燃だ･･･。見ると、轟くんも"個性"が使えなくなった様子。まずい。状況が最悪だ！！
「もっと楽しみたいけど、当初の目的を達成してからだな」
アヴァリスの目がオリオンの後ろで震える奏雨さんに向き、轟くんの炎を左手に纏った。奴の目は、狂気と興奮で燃え上がっていく
「殺してやるよ水無月奏雨。そうすれば･･･マスティマも」
マスティマ･･･
やっぱりこの事件には奴も関わって───･･･！
.
パリィィイン！！！
その時、室内の窓から何かが突っ込んできた
「！」
アヴァリスは上体を仰け反らせて、その何かを避ける
ガァッン！！！
その何かは、アヴァリスの頭上を通って壁に突き刺さった
「「「！？」」」
全員の視線は、自ずと壁の方に向く
壁に刺さっていたのは「銀色に光る槍」。
まるで氷のように透明で美しい槍は、壁に刺さった振動で小刻みに揺れていた。それに連動して槍の中では小さな気泡が動き、揺らいでは消えてを繰り返していた
「惜しい。そのまま死ねば良かったのに」
その声は、槍が突っ込んできた窓から聞こえた。感情の起伏の無い男の声だった。振り返ると、窓の方には二人の人間がいた
＿＿＿トンッ。
先に足を踏み入れたのは、黒いシャツに黒いスラックスの男性。今の声も この男であろう。そしてもう一人
鴉のように黒い翼を背に畳み、割れた窓の縁に足裏を置いて立った人
槍の武器、黒いパーカ、フードを目深に被った敵
背丈、体格、悪魔のような黒い翼･･･
夏休み前に、一度だけ見た
ショッピングモールで死柄木を迎えに来た奴だ
間違いない。コイツは･･･──！！
「マスティマ･･･」
アヴァリスが呟いた
(コイツが･･･！！)
轟くんの目が鋭くなり、かっちゃんも窓の方を睨んだ
当然だ。コイツは同志潰し
犯罪者とはいえ数多の人を傷付け、殺し
敵組織を潰して回ったとされる敵
水無月さんと、スクイーラーを攫った張本人
マスティマなんだから
マスティマは部屋の状況を見渡したかと思えば、フードを摘んで下に引っ張った
「あー･･･めんど」
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結衣(プロフ) - 救いはあるのですよね？？？？ (4月27日 17時) (
レス) @page50 id: e25d5229fc (このIDを非表示/違反報告)
Sana(プロフ) - 更新ありがとうございますー！もうほんと！面白くて大好きです！これからも応援してま〜す！ (4月26日 19時) (レス) id: 3115c6fd91 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 好きです！！！まじで！！！！この小説が好きすぎて頭から離れません！綾林檎さんのペースで頑張って下さい (4月26日 17時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - めっちゃ面白すぎます！！！更新楽しみにしてます！！！ (4月26日 15時) (レス) id: 8f7b32c140 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - めっちゃ面白いです！展開が最高すぎます！これからのストーリーが楽しみです！ (4月25日 23時) (レス) @page45 id: 875ab28994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2024年2月7日 9時
