第818話 ページ27
「さてマスティマ
2週間後、お前さんが燃やした廃ビルの近くに、水無月Aの死体を偽装して転がしておく。これで世間的に水無月Aは死んだ事になるぞ」
『･･･そう』
顔色一つ変えずに、淡々と返事をした
「意外じゃな。死柄木からこの話を持ち出された時は、お前さんが納得するはずないと思っておった
なにせお前さんは･･･オールマイトのような平和の象徴、それだけを目標に自分の人生を捧げ 生きてきたようなものじゃからのう」
『納得なんかしてません。計画を一時中断するだけの事です』
興味深そうに目を細めたドクター殻木。そんなドクターに水無月が見せた美しい笑顔は、悪女の如き妖しさを放っていた
ドクターが詳しく話を聞こうとした所で、ピピピピッという小さな音が鳴る。それは、ドクターが極少数の仲間にしか渡していない連絡通信機の音だった
「フム･･･」
ドクターは通信機器に繋がれたイヤホンを耳に当て、少し間を取ってから水無月の方へ振り返った
「マスティマ、お前さんの忠実な駒からじゃよ。急ぎで耳に入れたい話があるようじゃ」
『貸して下さい』
水無月はドクターからイヤホンを受け取り、軽く耳に当てた
『なに』
«主君、元気そうで何よりです»
このどこか軽薄で恭しい言葉遣い
『黒川か。どうした？』
«忙しい所 申し訳ありませんが、実はアヴァリスの事で･･･»
黒川という男が口にした「アヴァリス」という名前に、水無月は眉を顰める
『アイツが何？』
«俺も部下から聞いた話なのですが･･･アヴァリスの奴が、来週 東京で行われる「水無月家の新春公演」を襲撃しようとしているとの情報が入りました」
ガリッ！
水無月の爪が、テーブルを引っ掻く
『余計な事をッ』
«こっちで何とかしておきましょうか»
『アヴァリスの"個性"は強力だ。お前達じゃ対処しきれないだろ』
水無月は乱雑に自身の前髪を掻き上げた
『私が行く』
そして水無月は黒川にいくつか指示を出し、通信を切った
『この時間じゃ、今日中に関東に帰るのは無理か』
「なんじゃ、わざわざ交通機関を使うのか？ジョンちゃんで行けば多少は時間短縮できるぞ」
水無月は人でも殺しそうな目でドクターを睨みつけた
『冗談でしょ。二度とソレを私に使うな』
殺意の詰まった捨て台詞を吐き、水無月はその場を立ち去った
「本当におっかない奴じゃ。のう？ベアちゃん」
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結衣(プロフ) - 救いはあるのですよね？？？？ (4月27日 17時) (
レス) @page50 id: e25d5229fc (このIDを非表示/違反報告)
Sana(プロフ) - 更新ありがとうございますー！もうほんと！面白くて大好きです！これからも応援してま〜す！ (4月26日 19時) (レス) id: 3115c6fd91 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 好きです！！！まじで！！！！この小説が好きすぎて頭から離れません！綾林檎さんのペースで頑張って下さい (4月26日 17時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - めっちゃ面白すぎます！！！更新楽しみにしてます！！！ (4月26日 15時) (レス) id: 8f7b32c140 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - めっちゃ面白いです！展開が最高すぎます！これからのストーリーが楽しみです！ (4月25日 23時) (レス) @page45 id: 875ab28994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2024年2月7日 9時
