第816話 ページ25
『え？』
唐突な兄の発言に、水無月は驚いた
«俺にも ようやく明確な目的ができたんだ。敵連合は、前じゃ考えられないほど勢力のある組織になった。俺自身も"より大きな力"を、これから手に入れる
･･･今まで俺の為に頑張ってくれた事、感謝してる。敵地に身を投げて、虫唾が走るガキ共に囲まれて英雄ごっこをするのは辛かったろ。でももういい、もう全部忘れろ
全部忘れて、俺のところに戻って来い»
『･･････』
突然の話に、何も言えなくなってしまったらしい。口を開くも、言葉は出ない。額に汗を滲ませた水無月は、その卓越した頭脳で今 何を考えているのか
暫くして、水無月はグッと奥歯を噛み締めた
『･････････それが、兄さんの望み？』
«あぁ»
その返答を聞くと、気持ちを切り替えるように大きく息を吸い、ゆっくりと吐いた
『そう、分かった。なら一旦 戻るよ』
やりきれないような呆れたような顔でそう言った
«一旦？»
兄の不満げな声が電話口から聞こえる
『兄さん、私がNO.1ヒーローを目指したのは兄さんの為だよ。だけど、使い道は色々ある
私は兄さんの為ならどんな事でもやるし、兄さんの望みは全部 叶えるけど･･･「NO.1ヒーローになる夢」。これだけは、何年も時間を費やして、苦労して積み上げてきたんだ
クツクツと楽しそうに笑う水無月に、死柄木も笑う
«分かったよ。好きにしろ»
『ありがと
でも良かったね。兄さんは力も勢力も手に入れた･･･先生みたいになれる日もきっと近いね』
«･･･»
『兄さん？』
突然 黙った死柄木に、水無月は首を傾げる
«"みたい"じゃ駄目だ»
『え？』
«なァA。先生はさ、確かに"悪の支配者"とまで呼ばれた男だった。だけど最後は･･･たった一人の男に捩じ伏せられた
俺は、あんなふうになりたくない
勿論、俺たちを育ててくれた事には感謝してる。けど俺は･･･先生のようになりたくないんだ。あの人を、超えたいんだ»
兄が、こんなにも強い意志を持ち 何かになりたいと言ってきたのは、水無月にとっても初めての事だ
«A、お前なら分かってくれるよな？»
それは質問というより、願望だった
水無月はクスッと笑い
『兄さんならできるよ』
とても優しく笑ってみせた
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結衣(プロフ) - 救いはあるのですよね？？？？ (4月27日 17時) (
レス) @page50 id: e25d5229fc (このIDを非表示/違反報告)
Sana(プロフ) - 更新ありがとうございますー！もうほんと！面白くて大好きです！これからも応援してま〜す！ (4月26日 19時) (レス) id: 3115c6fd91 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 好きです！！！まじで！！！！この小説が好きすぎて頭から離れません！綾林檎さんのペースで頑張って下さい (4月26日 17時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - めっちゃ面白すぎます！！！更新楽しみにしてます！！！ (4月26日 15時) (レス) id: 8f7b32c140 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - めっちゃ面白いです！展開が最高すぎます！これからのストーリーが楽しみです！ (4月25日 23時) (レス) @page45 id: 875ab28994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2024年2月7日 9時
