第810話 ページ19
Aは、敵達と戦うイレイザーヘッドを凝視していた
『(イレイザーヘッド･･･ただの厄介個性だと思っていたけど、あんなに強かったなんて想定外だ･･･兄さん大丈夫かな)』
「おい！お前何やってんだ」
『(救ける？いや無理だ。こんな状況じゃ、どうなったって私は兄さんを救けられない。今 私が兄さんの仲間と知られたら、今までやってきた事が全て水の泡に･･･！)』
「おい水無月！聞こえてんのか！！」
『(けど、兄さんにもしもの事があったら･･･私の夢に意味なんか。っあぁもう、どうして？どうしてよ兄さん)』
＿＿グイッ！！
誰かに強く腕を掴まれたが、気にする余裕が無かった。不安と焦りで、視界と頭がグラグラする
『(こんな事になるなら、私にも一言くらい──･･･)』
『──！』
その声にハッとした。
クリアになった視界に、憎き男 轟焦凍がハッキリ映る。鋭い眼光と、他人を寄せ付けないオーラでいつも周りから敬遠されている轟が珍しく困惑した表情を見せていた
「行くぞ」
ぶっきらぼうに言うと、掴んでいた腕を無遠慮に引っ張り、走り出す。その時初めて、自分以外の人間が とっくに避難をしていた事に気付いた
「ったく、何してんだよテメェは」
ぶつくさ文句を言いながらも、掴んだ腕は離さない
『(･･･私が避難に遅れていると気付いて、わざわざ残っていたのか)』
一瞬。嫌な記憶が脳裏を過り、胸の奥をチリッと焦がした
私の事なんか大嫌いなはずなのに、私と違って本物の敵を見たのも、ましてや襲われた事すら初めてだろうに。この状況で･･･私を置いていったりしないで、救けようとしたのか？
『お前･･･どうして』
「･･･？」
･･･聞くだけ無駄だと判断した
この、自分のした行動に疑念を持つ事すらない顔
これがコイツの本質か
『(･･･まぁ、どうでもいい)』
癪な話だが、おかげで冷静になれた
よく考えれば黒霧だってついてるし、兄さんも先生も･･･私がこの場にいるのは承知の上で計画を止めなかったんだ。私が余計な事をする必要はない
私は私のやるべき事をするだけ
今の私は、雄英高校1年A組 水無月Aだ。
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結衣(プロフ) - 救いはあるのですよね？？？？ (4月27日 17時) (
レス) @page50 id: e25d5229fc (このIDを非表示/違反報告)
Sana(プロフ) - 更新ありがとうございますー！もうほんと！面白くて大好きです！これからも応援してま〜す！ (4月26日 19時) (レス) id: 3115c6fd91 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 好きです！！！まじで！！！！この小説が好きすぎて頭から離れません！綾林檎さんのペースで頑張って下さい (4月26日 17時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - めっちゃ面白すぎます！！！更新楽しみにしてます！！！ (4月26日 15時) (レス) id: 8f7b32c140 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - めっちゃ面白いです！展開が最高すぎます！これからのストーリーが楽しみです！ (4月25日 23時) (レス) @page45 id: 875ab28994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2024年2月7日 9時
