第786話 ページ44
▽水無月side
彼は、ヒーローを志すに相応しい精神を持つ男だった
『じゃあね。雄英高校のヒーロー志望さん』
「おい待て」
黒髪の男に軽く手を振り、帰ろうとすると
その男が手首を掴んで引き止めた
『なに?まだ何か用「消せ」』
『･････････ぁ?』
「煙草だ。今すぐ消せ」
「煙草は体に悪ィんだぞ!」
*
『アンタ確か、ヒーロー志望だっけ?非行少女を前にして放っておけなかったとか?そういう理由なら、虫唾が走るからやめて。反吐が出る』
『アンタみたいなお優しい世界で生きてきた人間に、私達の気持ちは分からないわ!!!』
煩わしくて仕方なかった
「手から良い匂いがする･･･ハンドクリームか?」
『香水』
「へぇ･･･香水なんかつけてたのか」
『文句ある?』
「いや･･･Aに合ってるなって。品があって優しい香りだ」
『･･･』
口下手なのに直球で、無愛想なのにとんでもないお節介。呆れるほどのお人好し。真面目で、冗談が通じなくて、それで･･･
「俺は･･･そう思わない。
死んでしまった愛した人を、忘れたいなんて思った事･･････一度もない。例え苦しくても、記憶を投げ出さないと その苦しみからは一生解放されないと分かっていても
それでも、覚えていたい
無くしたくない。幸せだった日々を
その人の時間を忘れる事はきっと･･･絶対に、後悔するから」
一途な人。
彼が火事で亡くなったのは
そんな話をした翌日の事だった。
彼は当時 17歳の高校2年生で
生きていれば、今年で20歳になっていた事だろう。
*
轟々と燃え盛る建物を前に、水無月は膝から崩れ落ち
地面についた手には無意識に力が入っていたのか、指でコンクリートを引っ掻いていた。そのせいで爪先からは血が滲み、地に5本の赤い線を引いている
『･･･っあぁ』
『本当に炎は嫌いだ』
俺は消えてなくなったりしねえよ
A
また会える
俺たちは絶対に、また会える
だからA、約束してくれ
それまで、絶対に───･･･。
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りんご - やばすぎる、、、水無月ちゃんマジでわかんないよぉ！！！ひとつ前の話でめっちゃドキドキしてたのに急に不穏、、。更新待ってます切実に！！！！ (2月3日 16時) (
レス) @page50 id: 74b2d2c40a (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - …………え？ちょ、理解がぁぁぁ！！！追いつかないです…。楽しみすぎて大好きです！ (1月31日 18時) (レス) @page50 id: c175c601fa (このIDを非表示/違反報告)
みみ - ほんとに激アツ展開すぎて、、おもろすぎる笑笑続きが気になりすぎて毎日このページを開いてます！更新待ってます！ (1月30日 5時) (レス) id: d76e5356db (このIDを非表示/違反報告)
tr. - 驚きすぎて事実を受け止めきれない…読みながらどういうことだよ…！？ってなってしまった、流石に続きが気になりますよこれは…！！ (1月28日 18時) (レス) @page50 id: f75fa0a2e7 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 一体どういう事なんだ！？！？続きが気になりすぎます､､､！！！ (1月28日 5時) (レス) @page50 id: 3d02d57991 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2023年9月9日 0時
