第772話 ページ30
「随分と楽しそうじゃない」
奏雨の嗄れた声は、怒りと憎悪で震えていた
「昌緒海の所でインターンしているんだって？あの子から色々と話は聞いてるよ。楽しくやってるようだね･･･年末年始の集まりには無断欠席を続けている癖に
お前、水無月家の次期当主だという自覚はないのかい」
『逆にあると思う？』
嘲笑うような顔で挑発をしてきたAに、奏雨は奥歯をギリッと深く噛み締める
「お前まさか･･･本気でヒーローになろうとしているわけじゃないだろうね？」
『本気だって、何度言えば──･･･』
「なれるわけないだろう！？」
ガッ･･･！！
奏雨は手に持っていた高級な扇子を勢い良くAに投げつけた。Aは首を僅かに右に傾け、扇子は奥の壁にぶつかって虚しく落ちた
「なれるわけがない･･･ッ！お前、みたいな･･･女がっ」
『･･･』
「お前 まさか･･･っ自分がした事を 忘れたわけじゃないだろうね！？」
『･･･』
「忘れたわけじゃないだろうね･･･
お前が殺した･･･
『･･･』
奏雨の顔は憎悪で歪み、目は獣のように鋭く光っていた
「かっ、奏雨様」
稽古場の入口で見ていた春月が、声を震わせながら恐る恐る入ってくる
「もう･･･そのへんになさっては･･･？」
だが春月の小さな声は、激昂した奏雨には届かない
「この恩知らずの疫病神！人殺し！悪魔があ！！」
「か、奏雨様！どうか気をお鎮めに･･･！」
「お前のせいだ。私がこんなに苦しい思いをしているのも、私が不幸なのも お前のせいだ！！お前が、あの子を殺したから･･･！！」
「奏雨様･･･ちが、違います。あれは事故で」
「違う！！！」
奏雨のシワの寄った顔は、涙で濡れていた
「違う！違う！！コイツが殺した！！」
『･･･』
Aは、気が狂ったように泣き叫ぶ奏雨を目の前にしても尚、終始 冷静であった。(あぁ、また始まった)とでも言いたげな表情からして、彼女はこの状況に慣れているようだ
「春月！お前も警察から聞いたでしょう！？あの子の遺体や事故現場の状況を！」
「そ、それは･･･」
春月が口篭ると、奏雨はAを鋭く睨みつけた
「お前があの子を苦しめた･･･お前があの子を追い詰めた。お前の存在が！お前の"個性"が！！あの子を苦しめた！だから あの子は死んだんだ！！全部全部ッお前のせいだ！！！」
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りんご - やばすぎる、、、水無月ちゃんマジでわかんないよぉ！！！ひとつ前の話でめっちゃドキドキしてたのに急に不穏、、。更新待ってます切実に！！！！ (2月3日 16時) (
レス) @page50 id: 74b2d2c40a (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - …………え？ちょ、理解がぁぁぁ！！！追いつかないです…。楽しみすぎて大好きです！ (1月31日 18時) (レス) @page50 id: c175c601fa (このIDを非表示/違反報告)
みみ - ほんとに激アツ展開すぎて、、おもろすぎる笑笑続きが気になりすぎて毎日このページを開いてます！更新待ってます！ (1月30日 5時) (レス) id: d76e5356db (このIDを非表示/違反報告)
tr. - 驚きすぎて事実を受け止めきれない…読みながらどういうことだよ…！？ってなってしまった、流石に続きが気になりますよこれは…！！ (1月28日 18時) (レス) @page50 id: f75fa0a2e7 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 一体どういう事なんだ！？！？続きが気になりすぎます､､､！！！ (1月28日 5時) (レス) @page50 id: 3d02d57991 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2023年9月9日 0時
