第612話 ページ6
奏海は深く息を吐く
「エンデヴァーにはいち早く、NO.1としての地位を確立させて、敵共を震え上がらせてほしいもんだ」
『･･･そういえば今日か、ビルボードチャート』
「まあ俺は、誰が1位でも2位でも さして興味はないが･･･
まぁなんだ。とにかく昨日は悪かった･･･最近は忙しくて、マジで嫌な奴になってたかもしれん」
『だから･･･別にいいって言ってんでしょ』
「ははっ！まぁお前は、俺の事なんか興味ないよな」
『･･･別に』
Aはソファの肘掛けに凭れかかり、頬杖をついた
『いっぱいいっぱいになれば、そういう事もあるだろ･･････人間なんだから』
「･･･」
どこか優しさを感じる言葉に、奏海は目を見開いた
「･･･お前から、そんな言葉が出てくるとは」
『うっぜ』
「大きくなったなぁ」
うんうんと頷く奏海に、Aは更に眉を顰めた
「また眉間にシワ寄せて、美人が台無しだぜ？」
『っ』
グイグイと眉の間を指でグリグリしてきた手を、パァンッ！と思い切り叩き払った
『大きなお世話よ』
身を引いたAの両耳で、銀色のフープイヤリングが大きく揺れ、陽の光で煌めいた。そしてそれを、奏海はジッと見つめていた
「･･･まだその耳飾りしてんだな」
『アンタには関係ないって言ってんでしょ。なんなの？父親気取りしないでくれる』
·
「･･･俺は」
『？』
「俺は父親になんかなれないよ」
真面目な顔をして言う奏海に、Aは怪訝な顔をした
「この年で嫁いないし」
『いやそんな真面目に捉えられても』
「そうか」
奏海は、そう言いながらAの顔をジッと見つめた
「母さんに似て美人なのに、性格は全然似てねーな」
『そんなもん知るか』
「そーいや、昔の事故で記憶吹っ飛んじまったんだったな。俺で良ければ母さんの事教えてやるぞ？ガキの頃からの付き合いだったし」
『母親なんて興味ない。顔もロクに覚えてない』
「知らないなら余計知りたくなるもんだろ？生みの親なんだか」
バンッ！！
Aはテーブルを叩いて立ち上がった
『どうでもいい』
「･･･」
『私が産まれる前に蒸発した父親も
『私には必要ない』
その目は、酷く殺伐としていた
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綾林檎 - つゆりさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！続編でも、どうぞよろしくお願い致します (2022年12月6日 19時) (
レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - 瑠璃さん» コメントありがとうございます！良いコンビですよね (2022年12月6日 19時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - 脳筋(笑)さん» コメントありがとうございます！続編でもよろしくお願い致します (2022年12月6日 19時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
つゆり(プロフ) - 更新ありがとうございます！初期づきちゃんと初期ろきくんのくだり面白かったです！続編でも強くて可愛い水無月ちゃんを応援させていただきます！！！ (2022年12月1日 18時) (レス) @page50 id: 15b7003481 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！水無月ちゃんと天喰先輩の組み合わせ大好きです！！ (2022年11月29日 22時) (レス) @page39 id: 995eaca907 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2022年9月6日 0時
