第208話 ページ21
物間side
僕の頭は、一瞬で真っ白になった。
「････････････」
"可哀想な男"
(ぼ･･････くが、
そう言ってきた女の方に、顔を向けた。
でもソイツは 僕の事なんて興味も無く････気怠げに路地外を眺めていた
壁にもたれかかって、冷たい目で。
外の世界を、真っ直ぐに
「僕が･･･可哀想･･･？」
彼女の言葉を反復したが
水無月は、それでも僕の方には目を向けず、どうでも良さそうな声で言ってきた。
『えぇ。可哀想だわ
ポッキリ折られちゃったわけだ･･･志。
だから それまで持ってた自信が崩れ落ちて、失敗が怖くなって、何もしたくなくなって、逃げることばっか考える様になったんでしょ？』
「･･･ッ」
図星だった。
この演習試験のルール説明の時、音本は言った。
"[お前達の目的は「このハンドカフスを私に掛ける」or「どちらか一人がこのステージから脱出する」ことだ]と
そして、僕は無意識に口にした。
【逃げてもいいのか】と。
「･･････」
頭の中が、どんどん･･･どんどん真っ白になっていく
『ホント、カワイソーだわー』
無表情な水無月の無慈悲な言葉は、更に追い詰めるようで。
「･･････ぼく･････は･･･」
" 物間って、可哀想だよなぁー! "
" それって、ほぼ無個性じゃない? "
" 『可哀想な男』 "
･
･
･
･
「･････････何が──･･」
『･･･なに？』
ようやく水無月の目が、こっちに向いた。
だけど この時の僕は、それどころじゃなかった
「君に･･･───ッ何がわかるんだよ！！！」
『･･････』
「君も･･･爆豪も、轟って奴もだ！！お前らみたいな、派手な"個性"な奴に僕の気持ちなんか わかるもんか！！
"個性"持ちの人間が傍にいないと 何もできないッ！僕みたいな奴の気持ちがさァ！！！」
『･･････』
水無月は、無表情のまま ただ聞いていた。
･
･
･
＿＿その頃、音本は
余裕たっぷりに歩きながら、口角を上げていた
「そろそろ･･･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1313人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
綾林檎 - エルスさん» 光栄過ぎるお言葉、ありがとうございます！！本当に嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年7月13日 21時) (
レス) id: 2125adda19 (このIDを非表示/違反報告)
エルス(プロフ) - 更新きた！ありがとうございます！物間とのペアが最高や！音本さんの個性もすごい！水無月ちゃんが個性のこと話すと悲しくて泣いた！！いつも頑張ったなぁ水無月は。こんな素敵なキャラクターと作品を書いてありがとうございます！待ってます！頑張ってください！！ (2021年7月12日 3時) (レス) id: ac1370201a (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - 荊都さん» 水無月ちゃんとの相性に注目です！笑 コメントありがとうございます！！ (2021年7月11日 0時) (レス) id: 2125adda19 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - エルスさん» ありがとうございます！！そう言って頂けて嬉しい限りです！！ (2021年7月10日 23時) (レス) id: 2125adda19 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - リノさん» 光栄過ぎるお言葉、嬉しいです！頑張りますね、ありがとうございます！！ (2021年7月10日 23時) (レス) id: 2125adda19 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綾林檎 | 作成日時：2021年6月20日 3時
