You can fly ページ3
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「＿＿＿You can fly〜♪」
「...あの」
「ん？どしたの？」
「どしたのじゃありませんよ！！なに考えても飛べなかったんですけど！？」
目の前で額に青筋を浮かべるアズールに耳を塞ぐ。
え〜...こんなに飛行術が出来ない人居たんだ。好きなことを考えても全然飛べないなんて、妖精の粉でも使わないと絶対飛べないんじゃない？
「まぁまぁ、アズール落ち着いてって。君がこれから見つける楽しみを全部考えてみなよ」
「必要なことは信念と信じることだけさ！...あ。あと、君の箒ね」
「さっきも同じこと言われたんですけどね！？」
あからさまに落ち込むアズールを横目に見て、お次はジェイド達を探すことにした。
ほら。君の友達はあんなにも...
「...アズールよりはましでしょう？」
「ギャハハ！ウケる！ジェイド全然飛べてね...って、うわァァァ！！！」
うーん...誰も飛べてないや。
アズール達のセンスが無いだけにしては凄いよね。逆に、とてつもない才能を感じる。
「僕が魔法を使ってアズール達を飛ばしてあげようか？今日はテストじゃないし、それくらいやってあげるよ」
「...分かりました。感覚を掴めるかもしれませんし、一応やらせて頂きましょう。対価はモストロラウンジの割引券３枚でどうでしょう」
了承の合図に首を大きく縦に振ると、アズールは満足気に箒へと跨がった。
「ささ、楽しいことを考えて！You can fly〜♪」
通常の魔法でアズールを上に飛ばすと、悲痛な叫びが耳を貫く。
び、びびった。控え目に言ってメッチャビビった...アイツってあんな大声出んのかよ...
少し経ってから地面に下ろすと、アズールは今にも死にそうな顔で
「I can't fly」
と言っていたことを僕は一生忘れられる気がしない。
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作者名：candy | 作成日時：2021年10月16日 18時
