大人な君は ページ11
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「クロッケー大会の前にまずは乾杯を。ティーカップはいき渡ってるね？」
「では、誰の誕生日でもない、なんでもない日を祝して！乾杯！」
「「カンパーイ！」」
寮生の元気な声がハーツラビュル寮に響き渡る。
良いよね、こうゆうお祭り騒ぎみたいなノリ。僕的にお茶会の日は沢山遊べるから大好きだ。
なんなら毎日やって欲しい。
目の前のタルトを口に運び終えた時、あのエースくんがリドルに声を掛けてきた。
何だろうと思って見ていると、いつの間にか隣に居たユウちゃん達が僕に声を掛けてくる。
「あ、あの...先輩！「この前は本当に申し訳ありませんでしたァ！！」」
「え？」
「遊ぶって言った約束、僕達が破ってしまってこのリドル先輩の首輪を先輩が付けられたんですよね？本当にあの時の事は悪かったと反省もしているので...コレを外して貰うことはできないでしょうか？」
苦虫を噛み潰したような顔をして謝ってくるユウちゃん達。
あ...そっか。アレは僕が付けたんだった。
「ごめんごめん！友達に話してスッキリしたから君たちの事忘れちゃってたや」
「今すぐ外してあげるよ」
マジカルペンを取り出して詠唱を始めようとした瞬間だった。
「マロンタルトだって！？信じられない！」
隣からそんなリドルの声が聞こえてきて、マジカルペンを落としそうになる。
あっぶなー！ていうか、リドル最近でっかい声多いな...
「ハートの女王の法律・第562条」
「“なんでもない日”のティーパーティにマロンタルトを持ち込むべからず」
「これは重大な
ブチギレるリドルと驚く一年生達。
パーティーはまさにカオス状態だ。僕はタルトを一切れ口に頬張って、静かにマジカルペンを仕舞った
「ハートの女王の厳格さを重んじるハーツラビュル寮長であるボクが、この違反に目を瞑る事はできない」
「マロンタルトはすぐに破棄しろ！それから、こいつらを寮外へつまみ出せ！」
リドルから出た言葉に耳を疑う
タルトを棄てる？マジで言ってるの？
マロンタルトはリドルも最近食べたがっていたはずだ
それをルールに従って棄てるなんて。ちょっと...いや、凄く残念だ
君はもう、僕と同じ子供じゃないみたい
ボタッ...ボタッ
続く
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作者名：candy | 作成日時：2021年10月16日 18時
