3��secret ページ4
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「…………あの、シュウさんが、私のことを助けてくれたんですか？」
恐る恐る聞いてみた。
彼の表情はどういう事だ、と今にも聞き返してきそうな顔で。彼には一切心当たりが無いのだろう、という事が流石の私でも読み取れた。
「えっと、なんのこと？」
「…………シュウさんが、飛び降りようとした私を、偶々助けてくれたのかな、なんて思ったりしたんですけど」
「待って。Aは飛び降りようとしたの？」
頭をなんとか働かせて出してみた答えだが、少しも掠ってはいなかったらしい。
何も知らなそうな彼の返答が、よりそれを際立たせた。
少しでも、もしかしたら、と。夢見てた私が馬鹿だったのかもしれない。
もしかしたら、あの場に闇ノシュウが居て、私を助けてくれたのかも、なんて。そんな事、現実的に考えて有り得ないだろうに。
でも、だとしたら、今ここにいる私は一体何者なんだろうか。……余計に、分からなくなってしまった。
「……ごめんね、A。分かってあげられなくて」
数秒して、シュウは少しだけ悲しそうな声でそう言った。
伏せていた目を上げると、今まで見たこともないような表情をした彼が、そこに居た。
私の手首を捕まえていた彼の手はゆっくりと動いて、するりと、私の両手に絡められた。指と指の間に、彼の硬くて長い指が挟まる感覚がした。
夢みたいな状況なのに、彼の手のひらも指もしっかりと感覚があって。非現実的なのに、現実味しか無くて。それがどうしようもなく、もどかしかった。心臓がドキドキと、いつまで経っても鳴り止まない。頭がふわふわとして、今にも蕩けてしまいそうだ。
「きっと、Aの中で、なにか何処かの歯車がおかしくなっちゃってる事があるって事だよね」
小さく、頷いた。
彼の言葉で表せているような、表し切れていないような。若しかしたら、歯車そのものが変わっちゃったという方が、より近いのかも知れない。
「そっか。よかったら、それ、聞かせてもらえる？
ゆっくりでいいから」
「は、はい……」
「うん。ありがとう」
そう言うと彼は、ニコッと優しく微笑みかけてくれた。
あ、いつもの彼の笑顔だ、と。そう思った。
配信で見ていた彼の笑顔が、ずっと遠い存在だと思っていた彼の笑顔が、彼の存在が、今はこんなにも近い。
本当にわけが分からないけれど、それでも今だけは、この時間をめいっぱい味わっていたい、なんて。そんな狡いことを考えてしまっていた。
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雨如(プロフ) - カザリさん» コメントありがとうございます。これからも頑張ります^ᴗ.ᴗ^♡ (4月17日 22時) (
レス) id: dd64d6e930 (このIDを非表示/違反報告)
カザリ(プロフ) - enのお話を読めてホントに嬉しいです！これからも更新頑張ってください!！ (4月9日 18時) (レス) id: 4546913554 (このIDを非表示/違反報告)
雨如［ｱﾒｳ］(プロフ) - りずさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです。今後も無理せず更新していきますので、よろしくお願いします₍ᐢ‥ᐢ₎ ♡ (3月21日 21時) (レス) id: b032e94894 (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - enのお話読んでみたかったので楽しみにしています。無理なく更新頑張ってくださいね。 (3月21日 14時) (レス) id: 320cdb1bda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨如 | 作成日時：2024年3月21日 1時
