10��呪い ページ11
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▸▸▸▸ 視点：闇ノシュウ
恋も愛も、それは一種の呪いなのだと思う。
夜中、みんなが寝静まった頃、僕は一人ホットミルクを飲んでいた。本当は珈琲が飲みたい気分なのだけれど、そうしてしまうと本当に眠れなくなってしまうので、ホットミルクで我慢しているという状況だ。
ソファの上から自分の組まれた足を眺めつつ、ミルクを口に含む。
身体の芯からふわふわと温まる感覚がした。
「シュウ、起きてたのか」
静かな空間に低く響いたその声。
振り向くと、朝と同じようにヴォックスが扉の前で少し驚いたような顔をして立っていた。
「うん、寝れなくて。ヴォックスも？」
「……あぁ」
「ホットミルクいれようか？」
問い掛けに彼はこくりと頷いたので、仕方ないなぁと応えて、僕はキッチンの方へと歩いた。
ヴォックスもその光景を見守るように、キッチンの向かいにあるカウンターに腰掛けた。
鍋を火にかけ、そこに牛乳を流し込み、次に砂糖を加える。そして最後にバニラエッセンスを加えて温まるのを待てば出来上がりだ。
くるくるとヘラでミルクを混ぜていると、彼がまるで独り言かのように話し始めた。
「明日、俺は帰るから、Aの事は頼む」
「うん、分かってるよ」
「手を出したら流石のシュウでも許さないぞ」
「分かってるって」
有り得ないよ、と笑うようにそう応えると、ヴォックスの鋭い目付きが少し優しくなった。
ミルクが温まったようなので、カップに零れないように流し込んで、それを目の前に座る彼に受け渡した。「熱いから気を付けてね」と言うと、彼は「あぁ、ありがとう」とだけ応えて、恐る恐るカップを受け取っていた。
「……俺も、皆も、シュウの事を信用している。
だからシュウにAの事を頼んでいるんだ」
彼の言う『信用』というのは、彼女に変な事をしない、という意味での使い方だろう。
確かに、他の人に預けていると彼女は直ぐに食べられてしまいそうだ。そしてAなら恐らく、彼らのその捕食を、簡単に受けてしまいそうでもある。
だからこそ、そんな心配が一切無い僕が適任なのだろう。
「分かってるよ。大丈夫」
「本当に、信用してるからな」
「はいはい。心配しないで」
笑いかけると、彼は安心したかのようにミルクを口に含んだ。次の瞬間彼が「あちっ」と言い、カップから口を離したのは言うまでもない。
だから気をつけてって言ったのに。
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雨如(プロフ) - カザリさん» コメントありがとうございます。これからも頑張ります^ᴗ.ᴗ^♡ (4月17日 22時) (
レス) id: dd64d6e930 (このIDを非表示/違反報告)
カザリ(プロフ) - enのお話を読めてホントに嬉しいです！これからも更新頑張ってください!！ (4月9日 18時) (レス) id: 4546913554 (このIDを非表示/違反報告)
雨如［ｱﾒｳ］(プロフ) - りずさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです。今後も無理せず更新していきますので、よろしくお願いします₍ᐢ‥ᐢ₎ ♡ (3月21日 21時) (レス) id: b032e94894 (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - enのお話読んでみたかったので楽しみにしています。無理なく更新頑張ってくださいね。 (3月21日 14時) (レス) id: 320cdb1bda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨如 | 作成日時：2024年3月21日 1時
