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ab side
大学院を卒業し、すぐに採用された『 蒼葉学園高等学校 』
昨日無事新任式でのスピーチを終え、今日は授業初日。
緊張し過ぎたせいかさっきの授業の事はあまり覚えてないけど、
あっ、でも
sk 「 阿部ちゃん先生ーー!俺佐久間でーす!」
dt 「 ちょっと佐久間、先生困ってるから 」
佐久間くんと宮舘くん、2人とも面白かったな。
えーと、次は、2年3組。ん?照のクラスか。
照という名ですっかり安心した俺は心臓近くをぎゅっと握ると思い切り深呼吸をして。
ab 「 こんにちは 〜!えーと、じゃあ取り敢えず号令からお願いします。 」
fk 「 はい!きりーつ!れい!」
mb 「 宜しくお願いしま 〜 す!!!!!」
ん?後ろ誰か寝てる?不良とかなのかな。でも最初の授業だし流石に起こさなきゃだし、出席ついでに起こすか ...
ab 「 先生の自己紹介の前に出席取っちゃうね 」
「 〜〜、〜〜、渡辺翔太ー、あれ?渡辺翔太休み?」
fk 「 ... あっ!先生!翔太います!寝てるだけです!!おい!翔太起きろ〜。もう〜、こいつ幼馴染が起こさないと起きないんですよ。今年はクラスが離れちゃって 」
なるほど、あの子か。でも今聞いた感じ不良では無さそう。
ab 「 渡辺くーん、渡辺翔太くーん!」
fk 「 翔太!数学の先生きてるぞ!」
nb 「 !!!」
突然顔を上げた渡辺翔太くんを見て、つい驚いてしまった。それは、起きた瞬間顔を上げたからって言うシンプルな理由もあるんだけど、何より " かっこいいな " って思ったから。顔を見た瞬間それだけが俺の脳を占めて驚いた。
それでも、咄嗟に誤魔化すのは得意な方だから誤魔化しの言葉がスラスラと出てきてくれたんだけどね。
でも、ちゃんと俺笑えてたかな?目が合った瞬間は吸い込まれそうで正直怖かった。男の俺でもこうなっちゃうんだからきっと女の子達は ... あー怖い怖い。考えるのやめて今は授業に集中!
ab 「 では、改めまして、こんにちは!今日から2年3組さんの数学を担当する 阿部亮平 です!宜しくお願いします!」
そう挨拶をしてから終わりの鐘が鳴るまでは色々困った事もあったけど凄く早く感じた。
教室を出る時、全然俺に目を向けない渡辺翔太くんを見て
" こっち向かないかな "
と思ってしまった事は、気の所為にしておきたい。
俺は、ただの " 教師 " だからね。
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作者名:暁 | 作成日時:2021年4月2日 23時