大空の死神

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第七話ページ9

今日は日曜日。幼稚園には行かなくてもいい日だ。
なので昴は一護と遊ぶ約束をしていた。

「行ってきまーす！」

「「「「「「行ってらっしゃい～」」」」」」

「はあ、昴も誰かと一緒に遊ぶ年になったのか」

「本当に、子供って成長するのが早いのね」

「でも、相手が一護君だからまだ安心よね。確か空手もやっているらしいし」

正直なところ、遊ぶ相手が一護でなかったのならば、遊びに行く許可は出なかっただろう。
それほどまでに院の人々は過保護なのだ。そして、つい先程微笑ましく昴を見送った。

「イチー！遅くなって悪い！」

「や、まだ3分前だぜ？全然遅くねえよ」

「でも一はいただろ？」

「いや、俺はいて当然だろ……お前天然？」

昴が走って集合場所のクロサキ医院の前に辿り着くと、そこには一護が立っていた。
集合場所を決めるときに一護は院に行くと言ったのだが、昴がクロサキ医院と勝手に決め、否定される前に帰ったため、一護は家の前で待たざるを得なくなったのだった。

「さて、何しようか？……そうだ！駄菓子屋に行こう！」

「お前その言い方わざとだろ」

「当然」

初っ端からふざけまくりながら二人は駄菓子屋へと向かった。

「つか、何で駄菓子屋に行きたいんだ？」

「安くキャラメル食べたいです」

「……なるほどな」

どこか昴のキャラが違うような気もするが一護はあっさりとした説明に納得した。

「じゃあ、近いところで『浦原商店』だな。あそこは安いし、なかなか人が立ち寄らねえから人に見られる心配もねえ」

……もしかして、俺の事を気遣ってくれたのか？この目と髪の色は目につきやすいからな………

「……ありがとな、一護。お前の友達になれて嬉しい」

「……フッ、気にするな。似た者同士だ。俺のこの色も目につきやすい」

そう言いながら一護は自分のオレンジ色の髪を見た。けれど、目には呆れたような色しか映っていなかった。

「ああ、でもお前は園ではモテるよな。男女に」

ふと思い出したように目にからかいを含ませ、ニヤリと笑って言った。
それに対し昴はウッと顔を歪めた。
昴は園に行く度に園児に言い寄られ、しかもそこには餓鬼臭い嫉妬も発生し、中には大泣きする園児もいた。精神年齢と実際年齢に差がある一護と昴はその度に疲れた顔をしていて、既に昴は何度も『うるせえ！このクソ餓鬼共！』と怒鳴ろうとしたが、未だに怒鳴っていないのは一護のお陰だ。