英二の幼なじみ【男主】 (ページ29)

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アッシュside

嫌なことを溜め込んで、ダーツにナイフを投げることでストレスを発散していた

だから上手い

そんな事を言いながら笑ってしまうAになんだか胸が痛くなって思わずAを抱きしめた

英二に救われた、そう言っていたA

それも嘘ではないし、本当の事なんだろう

でもやはり心のどこかでは苦しくてもがいてる

そんな気がした

Aは犯人がどうなったのか言わない

きっと話したくないのだろう

それでも、いつか俺に話してほしいと思う

…いつか、なんて願うことになるとは

Aが言ってたな、来世があるのかって

もしもあるのなら、Aがもう一度両親に会える来世が良いな、なんて思った

そこに俺も居れたら…

『…アッシュ！！』

アッシュ「…あ…悪い」

いつまでも抱きしめていたことに気づき思わず手を離す

『別に…いいけどさ…寧ろ…』

Aは俯いたまま顔をあげない

ふと耳が真っ赤に染まっていることに気づく

白人と同じくらい白いAの肌は赤くなるとよく分かる

アッシュ「耳赤いよオニイチャン」

『お、お前のせいだろ！』

照れてんの？なんて言いたくなったけど

余計に赤くなって、上目遣いに見てくるから俺は思わずドキッとした

『ったく、アッシュは銃の練習してろよ』

そう言って顔の赤いままAは家に戻っていった

一言だけ言ってから

『俺、銃は苦手だけど、アッシュが持ってる時は好き

空気の振動が止まって、魅入っちゃうんだ』

好き

なんて大したことない言葉

なのに俺は

締めつけられた様な感覚の胸に手を当てると、微かに鼓動が早くなっていた