大丈夫じゃない ページ6
レコードショップ
何かを求めてるわけでもない。
何かを見たいわけでもない。
それなのに、私はある歌手の前に立ち止まった。
『ジェジュン・・・？』
どこかで聞いた事あるような。
ないような。
気付けば、ベッドホンを手に取り
再生ボタンを押した。
『・・・・』
私はその場から動く事が出来なくて
涙が頬を静かに濡らした。
『・・・・』
悲しくて、儚くて、繊細なメロディ。
涙が止まらないし、体は鉛のように重い。
彼の声が優しくて心地よくて
心を壊していく。
私のちっぽけなプライドを。
"大丈夫じゃないよ。"
"悲しくて苦しくて、、、辛いの。"
声に出せたらどんなに楽だろう。
そう思えば思うほど
彼の声やメロディに惹かれる自分がいた。
1枚のCDを手に取り逃げるように
その場を去った。
"これがあなたとの出会い"
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作者名：fany | 作成日時：2018年9月3日 8時
