犬とベイビー2 (ページ10)

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☆58 ページ10

《何に謝るの？》

「いや、嘘ついたっていうか誤魔化したというか」

《それって、ソウンさんの事？》

「うん、だけどあれはたまたまあの場に居合わせたから話の流れがあぁなって」

《うん》

「俺誰とも付き合ってなんかないんだ」

《チャニョル、》

「ん？」

《それをわざわざ言いに来たの？》

「うん」

《私に？》

「うん」

《ありがとう・・・・でも大丈夫、気にしてなんか》

「俺が嫌なんだ・・・」

《え？》

「Aに誤解されたままとか・・・嘘ついたとか・・・・嫌なんだ」

「なんていうか分かんないけど・・・・分かって欲しい」

《ありがとう・・・チャニョル》

「・・・・・」

《でも、こんな事しちゃダメ・・・・》

「こんな事って？」

《ここに連れて来たのは私が悪いけど・・・・むやみに私と会うのは》

「良くないって？」

《う・・・ん。》

「どうして？？」

《どうしてって言われても》

「気にしてるの？俺の立場とか」

《うん・・・それにチャニョルはお客様だし・・・》

「・・・・」

《これ以上親しくするのは・・・良くない》

「・・・・・・・」

《チャニョル？》

「俺がなんでAに会いに来たか分かる？本当は単純に」

”会いたかったから・・・”

《・・・・・・》

「Aにとって俺は迷惑かもしれないけど、俺は迷惑とかそんな事思った事ない・・・」

《チャニョル・・》

「俺帰るわ、ありがと」

《ちょ、待ってどうやって》

「タクシー乗るから大丈夫」

”お邪魔しました、Aさん”

そう言って俺は玄関を閉めた。

彼女との距離が遠くなった。