犬とベイビー2 (ページ4)

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☆52 ページ4

「あの抜け道とかないですか？」

「ないね～～この渋滞じゃ抜けれない」

「そうですか」

「急いでるのかい？」

「まあ、はい。」

「遠回りにはなるけど、交差点渡りきって曲がればそっちの方がスムーズに行けるけど、どうする？」

「時間短縮できるならなんでも！」

「短縮できるかどうかは分からないが急いでみるよ」

「ありがとうございます」

取り敢えず、彼女に連絡をしてみるも

電話も出ないし既読すらつかない。

このまま向かったとしても

会えるかどうか分からない。

時刻は17:21

日が暮れだし、辺りは夜の景色に。

どうか、電話に気付いてほしい。

そして待っていて欲しい。

携帯と睨めっこをして数分。

「兄ちゃん、ツイてるね。目的地まで後10分で着くよ」

「まぢっすか！」

「あぁ、こっちの道は空いてたし信号にも引っかからなかった。笑」

「ボッーとしてなんも覚えてないっす。笑」

「まあその代わり、料金は増し増しだけどな？笑」

「いくらでも払います！笑」

「あははは！そりゃどーも。笑」

普段の俺なら、こんな会話しないだろうな・・・・

タクシーに乗る事すら、非現実的だし。

て言うか、おじさんナイス過ぎる。

マネヒョンにも、このドライブテク
教えてあげて欲しいよ。汗

「兄ちゃん、到着したぞ。」

「助かりました。ありがとうございます」

「とんでもない。」

「あっちょっと待ってもらえます？」

「ん？」

俺は走って、自動販売機に行き

おじさんにコーヒーを渡した。

「これ、お礼です。」

「ん？いやぁ、有難い。嬉しいよ」

「こちらこそです。本当に助かりました」

「ほら、急いでんだろ？行ってきな」

「おじさん、またどっかで会いましょうね。笑」

「あはは、そーなればな。笑」

束の間のあたたかい時間。

自分が自分で過ごせる時間だった。