犬とベイビー2 (ページ15)

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数時間後

時計を見ると、22時。

私どれだけボーッとしてたんだろ・・・

飲みかけの珈琲も、手付かずで

たった数時間前の記憶がボヤける。

そんな中、部屋中に着信音が鳴り響いた。

表示を見ると、見知らぬ番号。

一瞬でも彼だと期待した自分が馬鹿だ。

知らない番号だし、でも・・・

取り敢えず出ない事にしてみたけれど

2回、3回と繰り返す。

いつもは、着信拒否をするのに

この日はなぜだか携帯に手が伸びた。

もしかしたらと、・・・・

思い当たる人物が浮かんだ。

電話に出ると・・・・

「やっと出た、もしかして登録してなかった？笑」

予想通り、彼の仲間であるベクヒョンだった。

「Aどこにいる？チャニョルそっち行ったでしょ？」

《いないよ・・・》

「そっか、明日仕事？」

《え、うん。昼からだけど》

「じゃあさ、今から言う場所に来て」

《え？ちょっと》

「乙支路、とりあえずそこね。分かった？」

《今から！？》

「チャニョル帰って来てないの、とりあえず来て」

《わ、わかった。》

その返事を言う前に、電話は切れた。

”チャニョル帰って来てないの。”

彼の言葉に、不安を感じ

私は急いでタクシーに乗り込んだ。

無駄遣い。いつもならそう思うけれど

今日だけはいつもと違う。

そう、違うの。

彼らと出会ってから変わった。

いつもと違う私

それは、本来の私なのかもしれない。