☆43 ページ44
「あれ？Aさんは？」
「呼ばれたみたいです」
「ふーーーん。」
少し経ってから、店長さんが来て
差し入れのお礼と言って
限定コレクションのサンプルをくれた。
「あの、Aさんは？」
「あー手が離せないの。上からの電話でね」
「そうなんですか」
「また連絡とってやってね。」
あぁ、俺って単純。
誰かに背中を押されるとどうも動けちゃうみたい。
今日だってそう、ソウンちゃんが
誘わなければ俺はここに来てないだろう。
「ほら、チャニョル戻るぞ」
「オッパ、間に合わないよ〜？」
「あーごめん、今行くから」
「パクさんっ」
「はい？」
「ううん、何でもないの。いつもありがとうございます。また来てくださいね。」
「あっはい、勿論です！」
そう言って、店の外まで来てくれた店長さん。
いつもなら、彼女が見送ってくれるはずなのに
後ろ髪を引かれつつ俺はスタジオに戻った。
「店長さんも綺麗な人だなー笑」
「あっお前年上がタイプ？笑」
「あはは、オッパったら！笑」
スタジオに戻り、ソウンちゃんにも別れを告げ歩き出す。
「なぁ、チャニョル」
「ん？」
「まぢで、気を付けろよ？」
「何が？」
「おかしいだろ？あいつに何か言われたんだって」
「だから何が？」
「Aだよ、おかしいじゃん。戻って来ないとか」
「お前が呼び捨てにしてる方がよっぽどおかしい」
「うっさい！」
「で、ベクは何が言いたいわけ？」
「店長さんなんか言ってなかった？」
「ん〜〜電話してるから、下に降りれないって」
「絶対なんかあった。俺はそうとしか思えない」
「何を根拠に？」
「店長さんが降りて来た時、あいつ笑ったんだぜ？」
「笑った？ソウンちゃんが？」
「ソウンちゃんが？じゃねぇよ。」
「それにしても、すっごい嫌悪感だすね。ソウンちゃんに対して。笑」
「あの子の本性を見抜いてないお前の方に嫌悪感抱いてんの。わかる？笑」
「なにそれ。」
「とにかく、これは時間との戦い。すぐにAに連絡してどっか時間作って会わないと」
「わかってる」
だけど、君からの連絡を待つ俺はやっぱりバカなのかな・・・
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作者名：fany | 作成日時：2015年12月11日 21時
