「俺の“女”にならねぇ？」←ならねぇよ

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「おはよう！
…どうしたの？彩人くん」


朝、僕が席に座っていると、頭上から元気な声がかけられた

と思ったら、にこにこ笑顔からの困り顔

自分のことのように捉えてくれているようだ

こんなにも優しいから楓くんは人気なんだなぁと思う


「僕ね、最近変な夢を見るんだ。怖い夢、ではないと思うのだけれど、ある意味怖い気がする…
でもちゃんと寝れているようで、夢の内容は覚えてないんだ」


笑ってみせると、さらに眉をさげる楓くん


「そんな困ったように笑って…元凶は絶ったほうがいいよ。眠るのが怖いって理由で不眠症になられたら、僕、心配だよ」


あぁ、疲れた体にしみるこの優しさ

楓くん優しい


「あははっ、僕が不眠症になったら楓くんも不眠症になりそうだね。心配しすぎて…なんてね。それくらい楓くんは優しい」


つい笑いが漏れる

なんか一周回って面白い

少し参ってるのかな

ふふふ、と、楓くんの普段綺麗な弧を描いている眉毛が下がっているのがおかしくて笑ってしまった


「大丈夫。夢の中でも、現実でも。僕が守るよ」


口元にあった手を握られ、そう言われる


「楓くんは頼もしいなぁ…さすが」


そんなことを言っていると、もう朝練が全て終了したようだ

青石くんたちが帰ってきた

もちろん、北條くんも


「おはよう、北條くん、青石くん」


僕はいつも通り声をかけた

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