ヨナの姉は片思い中６

●トゲ ページ9

「う・そ」

は?

「今のハクの顔 面白かったよ」

「てめーはよぉー」

疲れが取れたと去っていくジェハ。

やっぱり関わりたくねえ

''彼女を本気で欲しいと思ってないからかな''

「知るかそんな事」

ずっと ずっと兄妹みたいに側にいて

あいつと姫さんが治める国を守ろうと

‘私 応援してるんだ ヨナとスウォンのこと
そうだ! ハクも協力して? ’

そういや昔 約束したな...

今 なんとか生きようとしている姫様に

イル陛下からの大事な預かりモノである姫様に

これ以上 望む事など...

座り込んでいるA姫がいた。


「...何 泣いてるんスか」

『...っ、な、なんでもない!』

いきなり手を掴まれた。

ボロボロな手 見られたくなかったのに...

「何だこりゃ」

『せっ 千樹草取りに行った時に
木のトゲがいっぱい刺さって
...針で取るものだって聞いたから』

呆れた顔をしたハクに

「ぐりぐりと針でえぐってたわけですかい」

『すごく痛いのに取れないの〜』

ぐすぐすと泣いている私に

「針は火で炙りましたか?」

『え?』

「......
大変だ! 傷口が化膿して
明日には手が腐って落ちてますよ⁉」

『えええ⁉』

吹き出したハクを見て
からかわれたのだと気付く。

『さ 刺すよ‼』

「そんな震えた手で言われてもなあ
とりあえず 傷口を洗って」

『う...』

ユンは海賊みんなの夕食作りで忙しいなど
話していると何やらユンの鞄を漁るハク。

『ハク 怒られるよ?』

「緊急事態だ 仕方ない あった」

はちみつ...?

私の手を掴み、小瓶を傾けて
はちみつをかけていく。

『え⁉』

「これを患部に塗ってしばらく置けば
自然にトゲは出てきます」

『ほ ほんと?』

ハクは何でも知ってるなぁ

「昔はじじいによく針でえぐられて
こんな楽な方法があると知った時は
殺意芽生えたね」

『ふふっ ムンドクらしいね』


はちみつの独特のトロトロした感じって
すごいなぁと思っていると

「しかしあんな絶壁渡れた人が
こんな傷で泣くとはねー」

『こ これは ヨナを守るために‼』

きゅ...と優しく手を握られ

「...本当になんて手してんですか お姫様が」

『私 少しは強くなれた?
少しはハクに近づけたかな?』


''君と彼女は近いようでいて距離がある
本気で欲しいと思ってないからかな''


「____うるせェな タレ目」

たぶん そうなんだろうよ

感情は 今まで 何度も殺してきたんだから

●感情→←●合格?

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