第30話 交渉 ページ1
''四龍の戦士よ
これよりお前達は我々の分身
緋龍を主とし命の限り
これを守りこれを愛し
決して裏切るな''
「う...あ...」
血が沸騰するようだ
急にうずくまったジェハ。
様子がおかしい。
ハクがどうした?と声をかけるが
反応を返す余裕もないみたい。
まさか この子が
ずっと遠ざけてきた...四龍を統べる者...?
少し顔を上げたジェハの額に触れるヨナ。
「すごい熱...!」
ドクン!
いけない 早く ここを立ち去らなければ
でも なぜ 動けない
なぜ こんなにも 離れ難いと思うのは
「ありがとう...お嬢さん もう大丈夫...」
しばらくジェハを見つめていたヨナが
「緑龍...? あなた 緑龍でしょう...?」
「『なんで...』」
思わずハクと被りながらヨナに聞く。
「なんとなく そんな気がするの 違う?」
何故か言葉に詰まりながらジェハは
「...何の事だか。
僕は通りすがりの...」
しかし走ってきたキジャが
「姫様 その者が緑龍です!」
ハクがジェハの後ろから腕を回し
首を緩く絞めながら
「通りすがりの?」
「緑龍です...」
ハクが嫌そうにしながら
「あんたが緑龍だったのか...
もう2度と関わりたくなかったのに」
ヨナが嬉しそうに
「あら あなた人相書きの?
姉様とハクから話を聞いて会ってみたかったの
あなたが緑龍で嬉しい」
どうやら 四龍と緋龍の結びつきを ナメていたようだ
「私はヨナ」
その姿 その声すらも まるで甘い誘惑だ
「あなたの名は?」
だが これは僕の中の龍の血が そうさせてるだけ
僕自身の想いではない
「......はじめまして 僕の名はジェハ
僕は心底会いたくなかったよ お嬢さん」
『え...』
「私が来ることを知っていたの?」
「こんな可愛らしい女の子だとは思わなかったけど
ここ最近 白龍と青龍の気配がしてたからね
もし彼らが主人を引き連れてやって来たら
言おうと思ってたんだ
''僕は君に仕える気はかけらもない
お帰りください''」
ハク、ユン、私は目を見開く。
キジャは難しい顔をしていた。
ヨナは凛とした雰囲気を漂わせ
「私は白龍と青龍の主ではないわ
今は理由あって力を貸してもらっているの
あなたにも力を貸してほしくて来たの」
しかし、ジェハは
「可愛い女の子に頼られるのは嬉しいな
だけどごめんね 僕は白龍のように
緋龍王のために生きて死ぬ...なんて志は
持ちあわせていないんだ
僕は守るべき人は自分で選ぶし
死ぬ場所も自分で決める
だからお嬢さんに力を貸す気はないよ」
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桜華(プロフ) - fruitさん» ありがとうございます。原作が素晴らしいからですね。ハクヨナ素敵ですよ! (2021年8月13日 14時) (レス) id: f1fabf8b23 (このIDを非表示/違反報告)
fruit - 初めて読んでみたけどとても面白かったです! (2021年8月13日 13時) (レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - はじめまして 沙那さん 嬉しいお言葉ありがとうございます ぐだぐたですが更新していきます (2019年10月31日 20時) (レス) id: f1fabf8b23 (このIDを非表示/違反報告)
紗那(プロフ) - 初めまして、読んでいて先がどうなるのか凄く気になります。想い人のハクと結ばれて欲しいなと思いました。これからも頑張って下さい!更新を楽しみにしてます(^^) (2019年10月31日 18時) (レス) id: fa79a8dffc (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - アイさん コメントありがとうございます頑張ります (2019年10月5日 23時) (レス) id: f1fabf8b23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲夜 | 作成日時:2019年10月2日 10時