36話 ページ13
ナ「ミツキ。
ワタシはヤマトの秘密が
知りたいわけではありません。
友人であるワタシたちの間に
彼が錆びついた空気を持ち込むことが
納得できないだけです。
ヤマトの秘密? そんなもの、
シリアルと一緒に胃に流し込みますよ。
ワタシたちの間に国境を作らないでください」
大「あはは 国境なら最初からあっただろ?」
ナ「......どういう意味です?」
大「帰国子女のおまえと違って
俺の朝食はシリアルじゃなくてお茶漬けなんだよ
これがすべての答えだ。
ぶっかけるのが牛乳かお茶の違い。
でも、その違いがパスポートより重要になる。
悲劇はここから始まって、ここで終わる。
いつか、おまえも気づくはずだ。
じゃ、行ってきます」
バタンと虚しく扉が閉まった。
残された2人は、
ナ「......あの男は何を言ってるんです?」
三「おまえをはぐらかそうとして
はぐらかしに成功したんだろ」
ナ「...シット!」
ナギは大和に何も言わない三月に
何故なのかと聞いた。
三月は苦しそうな悔しそうな顔をしながら
三「信じたいじゃんか、大和さんのこと。
大和さんがオレたちに話してくれること。
決断するまで、ちゃんと待ってたいんだよ
男なら、格好つけたい時もあるし。
みっともない自分を見せたくない時もあるだろ」
ナ「...ワタシは同意できません。
見せたくない自分が、本当の自分なら
それは自己の抑圧です。
ありのままの姿でも愛されることを
何故、疑うのですか?」
三「......怖いじゃんか。
人に知られたくない、
自分の姿を受け入れて認めるのってさ。
しんどい分、自分のペースでやりたいだろ。
せっついたらかわいそうだよ」
ナ「......」
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作者名:桜華 | 作成日時:2019年8月20日 3時