【MASHLE】世界に愛され、魔法に愛されなかった私【文スト】 (ページ23)

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『私の出身は東洋です。

国を閉ざし、国から出ることも入ることも出来ない所』

アビス「と、東洋…………！？」

『私はお殿様……最高権力者に条件付きで特別に出国を許可されました』

一つ、この国の内情を絶対に話してはならない。

二つ、東洋出身とバレてはならない。

三つ、魔法学校での活動は誰にも話さない。

これを守ることができるのならば、出国を許可する。

『"東洋出身とバレてはならない"

顔を極力見られないようにするため、面布を着けています』

アビス「これを私に話したということは……」

『私は処罰を受ける対象でしょう。

…………お殿様(・・・)にバレたら(・・・・)の話ですが』

勿論、バレなければ良い。

だから私は、神格者試験を受けることが出来ない。

神格者にはなれないのだ。

『聞きたいことはこれだけですか？』

少し経って、アビスが恐る恐る口を開いた。

アビス「…………何故、私の目を見ていたのに魔法を使えたのですか」

『…………他言無用でお願いしますよ。

私には固有魔法がありません』

アビス「っ……！？」

『私が使っているものは、“異能力“と呼ばれる、魔法ではない別の力です。

…………人によっては、禁忌となることもあります』

この魔法が全ての国で、魔法以外のものを使うなど、禁忌レベルではない。

魔法不能者よりもさらに処分すべき存在。

アビス「…………そんな重要なことを私なんかに話しても良かったのですか」

『貴方は口が堅そうなので。

それに……バレれば貴方も私達の国から処罰を受ける対象になってしまいます』

アビス「…………私も、ですか」

『少し、お喋りが過ぎました。

今(・)、私から言えることはこれだけです。

くれぐれも他の人に話さないように。この事情を知ってるのは、ウォールバーグ校長、ただ一人です』

そう言って、私はこの場を去った。

本当はこんな自分の身が危険になることを話すつもりはなかった。

どうしてか、彼には話しても良いような気がした。

きっと、お母さんと同じように見ているのだろう。

『“異能力【花や雷の落ちしほど・返り花】“』

ほら、今も無意識に回復させてしまった。

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