地獄 ページ7
ー思想犯ー
それはもうやめた。
かっちゃんの、勝己の思考は
もう「分かれない」そう悟っていたから。
貼られた顔の薄紙も剥がせない、
普通に固執するのが怖かっただけだ。
心から溢れ出てくる
水圧で動けなくなる。
無意識のうちに
知らないと思っていたものを
知りたかっただけ。
それでも、知り得ることはなかったから。
『........かえ、返してっ....』
私とかっちゃんの開いた距離を埋めるよう、
走る。
ぶつかるように
胸にナイフを当てた。
背中に回された腕が暖かくて。
彼の肩に顔を埋めた。
なぜか溢れ出てくる涙が。
分かってたから。
彼は、この世界のかっちゃんは、
家出なんてしてなくて、
ちゃんと、雄英高校に入って。
敵が襲撃してきたときに、
みんなを庇って、
死んじゃったから。
だから、違うって、本物じゃないって。
最初からわかってて、
こんなことした。
『..........ごめん、な、さい』
「はっ、.....テメェ、本当に賢いな」
そう言って笑って見せた
�牋磴�世界�瓩里�っちゃん。
その顔は、本当に、
本当に..............______________
そこにいる別の世界のかっちゃん。
血まみれだった。
涙が止まらなかった。
-.-.-.-.-.-.-
目を覚ましたそこは真っ暗なところだった。
あのアルバムは、見た目が全く違う
俺が写っていた。
俺が家出をしたきり
戻ってこなかったことも、
全部が嘘だったんだ。
それを全て理解した上での行動だったんだ。
はっ、ここまで見た目が違えば、
すぐ気付くわな。
すぐそばにあった鏡を見れば、
俺そっくりな俺が立っていた。
鏡に映る俺に手を伸ばせば、
目があった。
「......っ.......！」
それはいつの間にか消えていて、
代わりに何かを見せつけるように、
何かを亡くしたことを知らせるように。
手のひらには血が付いていた。
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ヒイラギ＊祈鬼(プロフ) - YouTubeでたまたま発見したんですけど、この小説ってhttps://youtu.be/qZm6iJn_S5Y この動画を元にされてたりします？気になっただけなので、間違っていたらすみません。 (2018年11月10日 17時) (
レス) id: 1b2da2416b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栗花落 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ff87f367d51/
作成日時：2018年10月9日 19時
