薄 ページ5
5日目。半分が過ぎた。
カレンダーを
めくりながらそう思った。
赤い文字で25と
書かれた紙切れ。
それを持ったまま
大きなクッションに
凭れ掛かった。
目元に腕を持って行き、
目を閉じる。
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＊＊＊
_________
『かっちゃん、これ切っといて』
「あぁ。」
______
『はいはい！かっちゃん負けだね〜』
「......クッソ...」
『えっへへ、なると？
はなまるだね〜！』
______
『はい、かっちゃん。ちゃんと乾いたよ』
「おう。」
________
＊＊＊
________
これまでの記憶が
頭の中に流れた。
当たり前に過ぎてくはずの日々。
何十年と感じるほど長かった。
寝すぎた頭痛で起きた俺は、
無理矢理に立ち上がり
手に持っていた紙切れを丸め、
ゴミ箱へ投げ捨てた。
「.........殺せば生き返る。
....上等だわ。ぶっ殺す。」
そう小さく呟き、
Aの部屋へ向かった。
-.-.-.-.-.-.-.-.-.-.-
『......、かっちゃん、どうしたの』
Aの部屋の前に行って
ノックするか迷っていたところ、
ちょうど部屋から出てきたA。
そこでしばらく黙っていると、
Aは手に持っていた
マフラーを首に巻いて、
外に出た。
背中を追っていけば、
いつかの記憶が頭の中に流れ込んだ。
「どうしてぇんだ」
なんて問えば
『どうもしない』
なんて返す。
テメェはもう、何も教えてくれねぇのか。
そこでまた彼奴の
思い出すよう思考を巡らせる。
やっぱりどの
しっくりこない。
やがて分からなくなった
彼奴の
歪で儚くて、今にも泣きそうだった気がする。
外を歩き、だんだんと開いていく距離に
覚えがある。
俺はそこで足を止めた。
子供の頃、感じたものだ。
最初の方こそ、同じスピードで、
同じ歩幅で、隣で歩いていたのに、
いつのまにか前にいて、
いつのまにか置いて行かれた。
それを、今思い出してしまったんだ。
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ヒイラギ＊祈鬼(プロフ) - YouTubeでたまたま発見したんですけど、この小説ってhttps://youtu.be/qZm6iJn_S5Y この動画を元にされてたりします？気になっただけなので、間違っていたらすみません。 (2018年11月10日 17時) (
レス) id: 1b2da2416b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栗花落 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ff87f367d51/
作成日時：2018年10月9日 19時
