聞こえた。 ページ6
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まだ禰豆子だけには
温もりがある
医者に見せれば助かるかもしれない
妹を抱え山を下る
どうしてだ!
どうして
こんな目に
大切な人をまた失うのが怖い
息が苦しい
凍てついた空気で
肺が痛い
前に進め
もっとはやく足を動かせ
まだまだ
町まで距離があるんだぞ
急げ
死なせないからな
絶対助ける
Aのように
居なくならないでくれ
必死に足を動かしていたが
ずるりっと
雪で滑り
崖から滑り落ちた
炭治郎「た、助かった」
滑ったのも雪だが
着地したのも雪の上で
なんとか助かった。
背負っていた禰豆子を
周りを見たわし探す
すると
ゆらりっと少し気味が悪く
立っていた。
炭治郎「禰豆子!!大丈夫か!
直ぐに町まで運んでやる!」
禰豆子の元へ近ずき
腕を掴むと
今まで見た事のない
顔をする禰豆子
そして牙を剥き出し
俺に襲いかかってきた
「禰豆子?!」
顔には血管が浮き出て
まさに鬼だ
三郎爺さんの言葉を今思い出した
禰豆子が人喰い鬼?
いや違う
禰豆子は人間だけ
生まれた時から
だけど匂いがいつもの禰豆子じゃなくなっている
でも、あれは禰豆子がやったんじゃない
六太を庇うように倒れていたし
口や手には血はついていなかった
そしてもう1つ
もうひとつの匂いが、、!
嗅いだことのある匂い!
禰豆子の身体がどんどんと大きくなり
力が強くなった
俺がよその家で
ぬくぬくと寝ている間に
あんな酷いことに、、!
家族を失い
アイツまで失ってしまった
せめて、せめて禰豆子だけは!!
「禰豆子!!
頑張れ!
こらえろ!頑張ってくれ!
鬼なんかになるな!
しっかりするんだ!」
俺の声が聞こえたのか
ボロボロと涙を流す妹。
その瞬間
懐かしい匂いがした。
その匂いと共に
刃を振るう
アイツが視界に入った
?「?!」
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作者名:シラ | 作成日時:2019年5月21日 13時