好きなんだってば【東海オンエア】 (ページ3)

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受験ページ3

中学1年生まで名古屋、父親の転勤で2年生から岡崎に住み始めた。

たまたまお隣さんがとしみつの家で、でも初めは人見知りでなかなか話す機会もなかった。

お隣だったけど中学は違う。

転校したという事もあるけど、友達作りが得意じゃないあたしは知らない人だらけの中学も楽しくなかった。

「あ！Aちゃん！」

『 …あ、お隣の… 』

「勉強わからんとこあったら教えるから
ちゃんと言うんよ」

親におつかいを頼まれ家を出ると、たまたまとしみつのお兄ちゃんと会った。

それから話し掛けてくれるようになって、家族全員とも気軽に話せるようになって。

『としみつくん』

「おお、Aちゃん！
今やばいんよ、受験勉強馬鹿むずい」

『一緒に勉強しん？あたしもやばい』

「俺は自分1人で手一杯なん。
Aちゃん高校どこにした？」

『期限ギリギリまで考える。
としみつくんは？』

「城西高校」

『あ、聞いたことある。』

「さみぃからもう入らん？」

『それ言ってくれるん待っとった』

「自分の家まで5秒もかからんやん笑」

『今家に妹の友達来とって遊んどるんよ』

「いや最初にそれ言えよ笑」

結局、彼もあたしも問題がわからなくて解説に頼ったりいろんな本を駆使してなんとか終了。

『ああ〜…数字見とったら頭痛くなる… 』

「俺理系絶対無理やが… 」

『としみつくん絶対文系よね』

「絶対文系」

集中して問題を解きながら、たまに話したり。それが楽しくて毎日一緒に勉強した。

志望校の提出期限の日。いろんな高校のオープンスクールにも行ったし、両親や先生と何度も相談して悩みに悩んだけどやっぱり。

“城西高校”と大きく書いて提出する。

高校受験も終わり、遂に合否発表の日。“ 結果分かったらAの家行く ”と言われたけど結局高校で会うのになあ、笑

目を凝らして196番を探す。

189、193、195

196。

『 …あった…！！』

「は、A！？」

『 …どうも笑』

「お前もここ受けたん！？」

『こんな早く見つかるつもりじゃなかったんに、』

「ここにするなら言えよ笑」

『 …へへ、どう？番号あった？』

「俺受かっとった！」

『おめでとう、あたしも受かっとったよ』

『友達作り頑張りん笑』

「お前の方が危ないやろ笑」

『半年後同じ事言えとるか楽しみや！』

「堂々と言ってやるわ！」