好きなんだってば【東海オンエア】 (ページ13)

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酔っ払いページ13

『大好きだって言えばいつも静かに頷いて
知ってるって笑うのよ
そのシワシワな笑顔と掠れた声がある生活に
満たされて幸せで今がある』

「あいみょん？」

『そ、この歌としくんっぽい』

弾き語りをするAの後ろ姿をスマホで撮る。こちらを向いて気付いたら止めようと始めたこの録画も、もう少しで5分になる。

「どのへん？」

『あたしが好きって言ったら知っとるって言う
あとお風呂上がりの匂い好きやし
あんまり優しくないし仕事多いのも、
この間としくんの好きなお菓子間違った時
めちゃめちゃショックで寝れんかったよ』

『ほんとにあたしの心の中そのままの歌。』

「酔っとるね」

『あたしだけじゃないやん』

「そういえばこの前
今度俺の良いところ言うって言っとったやん
言ってよ」

『今あ？』

「今じゃなかったら言わんやん」

『んー、
でも良いとこっていうか好きなとこになる』

「そっちの方が嬉しい」

『ん〜ふふ、
いっぱいあるけどね』

『さっきの歌の通りにね
好きって言ったら知っとるよって言うとことか
あんま優しくないけどそこも好き。
笑い方とか
お仕事頑張っとるとこも
忙しくない時は構ってくれるとこも
たまに優しいのもね。』

『あとはねえ、
この前のボール投げとるとこめっちゃキュンとした
歌っとるとこも好き。
としくんの声安心する
甘えたい時甘えさせてくれるとことか
くっつきたくなる体温も好き。』

『見た目の話になると
吊り上がった目も高い鼻もかっこよくてね、
おっきい手とか、筋肉とか、男らしいとこが好き
あたしは毛が濃いのも割と好きだよ笑』

『嫌いなとこもあるけど
それ以上に好きなところが多すぎる。
罪な男やね、ほんとに。』

「普通に照れるわ」

『あたしも。
……撮っとるん？笑』

「うん、8分前から」

『やばあ、恥ずかし。』

「止めたからこっち来て。」

スマホを机の上に置いて腕を広げれば、先程まで大切そうに弾いていたギターを置いてトコトコ歩いてくる。

「っんとに可愛い… 」

『あったかぁ… 』

ぎゅっと強く抱き締めれば細い華奢な腕が背中に回る。潰れてしまいそうな小さな体が愛おしくて堪らない。

『ちゅーして』

「そのつもり」

可愛い真っ赤な唇に何度か噛み付く。小さくリップ音を立てて唇を離すと閉じていた目をゆっくり開いて、物足りなそうな目で見つめられる。

『意地悪しんでよ』

「ベッド行かん？」

『連れてって』

「はあい」