SWEET ※バレンタイン企画 ページ33
tnzm
tn side.
水曜日の夜。
ようやく長い一日が終わり、自室である書記長室に戻ってきた。
外交資料や武器庫の点検用紙、領収書などが散乱している机にドサリと荷物を置く。
と、同時に響く聞き慣れた声。
zm「じゃじゃーんっ！」
恋人が自作効果音を付けながらまるでコウモリのように天井から顔を覗かせていた。
慣れが生じていつの間に入っただとか鍵はどうやって開けたとか、そんなこと気にならなくなってきた自分が怖い。
tn「…頭に血上るで。降りてきなさい」
zm「なんや、驚かへんのかぁ」
軽口を叩きながらストンと着地する様は、正しくアサシンといったところか。
tn「何の用？俺もう寝るで」
zm「あ〜あ、これだから童帝は…」
何か聞こえた気がしたが耳を貸したら負けだ。とにかく今は疲れきっているから、眠るのが最優先事項であることは明確だろう。
tn「……うん、じゃあ、おやすみ」
zm「待っ、ちょぉ待ってや」
いつもならこんなときは静かに部屋を出て行くはずなのに、今日は何かと渋るゾム。
何や夜這いか？夜這いがしたいんか？
zm「今日！2月14日！バレンタインデー！やろ！」
tn「………あﾞー…」
バレンタインデーってあれか。好きな人にチョコを送るあれ。
zm「やからこれ、ほい。手作り」
どれだけ眠くても反射神経までは侵されていないらしく、投げられた小包をなんとかキャッチする。
妙に綺麗な字で書かれた［トントンへ］という文字が目に飛び込んできた瞬間、脳が覚醒した気がした。
tn「…食害じゃないよな？え？毒とか入っとる？」
zm「入ってへんわ」
tn「マジのチョコやんけ…」
zm「マンちゃんとエミさんに教えてもらってん。菓子作りは初めてやったからあんまり美味しくないかもしれんけど、」
照れながら調理過程やら何やらを話しているっぽいがそんなことよりこのチョコレートだ。
ゾムの手作りだと言う。
こんなの、
tn「いっぱいちゅき……」
zm「は？トントン？」
tn「ほんま好き。ありがとな、俺のために」
チョコレートみたいに甘い雰囲気に流されて、恥ずかしい言葉を恥ずかしげもなく垂れ流してしまう。これも寝不足の症状だろうか。
だけど。
ゾムが目の前で慌てながら赤面しているのも、包紙から仄かに香る甘い匂いも全て現実で。
こんな幸せなことがあっていいものか。
たまらず目の前の恋人にひとつキスを落とす。
チョコレートの代わりになる程の甘さで。
CHOCOLATE ※バレンタイン企画→←COMPASSIONATE ※暴力表現有
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アカネ☆ - 鬱先生とゾムの見たいです！ (2021年1月30日 13時) (
レス) id: 869453a012 (このIDを非表示/違反報告)
リョウ - kn×shaみたいです！ (2019年1月22日 1時) (レス) id: fc6ae77e4d (このIDを非表示/違反報告)
サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し - とんちは豚でもなく猫でも、人でもなく狼でした (2018年11月22日 1時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
らるる - とっても楽しませてもらってます！リクで、grknで、knは、grに洗脳されてる的な話がほしいです…無視でもいいので、これからも頑張ってください！ (2018年8月18日 21時) (レス) id: 343b54581c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 誤字すいません。しないと、出られない部屋です。無視してもらっても構いませんので…！ (2018年7月26日 15時) (レス) id: bc161081e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮瀬 | 作成日時：2017年10月15日 2時
