中村君の憂鬱。 ページ44
はぁぁ……昨日、千路君に恋愛相談にのってくれ、と頼まれた。まだ言うには早いかとも思っていたが、なんだかもう黙って待つのも懲り懲りだったので平川さんの昔の事を話してやった。
そこまではまだ良かった…ただ…ただ！
千路君!!お前は超がつくほどのど阿呆だったのか!?
平川さんが人を見た目で選ぶような人間だとでも思ってたのか?!
いや、阿呆じゃ収まらん!!お前は大馬鹿者だ!!( º言º)なんで全てマイナスに考えてしまうんだ!!
俺はかなりイラついていたらしい。職場では杉田に心配され、家ではAがストレスが少しでも無くなるようにリラックス効果があるというハーブティーを入れてくれた。
その時、携帯の着信音が鳴った。なんだかいやな予感がする……
｢はい、もしもし……｣
森川｢あ！もしもし〜!!中村君かい？将来のお義父さんだよ〜!!｣
………予感的中(-д-；)…………
森川さんが俺に千路君の事で負荷をかけてまだそんなに日も経っていないのに……
｢はい…なんの御用でしょうか……｣
森川｢やだなぁ、そんな他人行儀にしないでよ〜!!あ、話があってね！ウチの不肖の息子(?!)君がねぇ、なんかまーた落ち込んだ顔しててね。仕事場にもそのどんよりした空気を持ち込んでくるから、僕はもちろん、神谷君や櫻井君も心配してるんだよ。良ければ、良ければだよ？中村君から喝を入れてくれないかな?｣
うわ、”良ければ”って2回も言うあたり、絶対俺に任せる気満々だわ……
Aには余計な心配事作らせたくないしな…
｢わかりました…｣
森川｢本当かい?!ありがとう！いや〜僕の娘は良い旦那さんをもらったねえ…｣
森川さんはこうしてことあるごとにAは”自分の娘”アピールをしてくるので、実はかなりウザイ……笑
｢あ、あの…それで代わりと言ってはなんですが…ひとつお頼みしたいことがあるんです。｣
森川｢お！いいよ〜!?なになに、未来の義理の息子君っ!!｣
まじでウザくなってきた……
俺は、千路君の事と引き換えに”ある事”を森川さんにおねがいした。
森川さんは二つ返事で了承してくれたので、こちらの心配事はこれでひとつ解決した訳だ。
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作者名：勿忘草は浅葱色を纏う x他1人 | 作成日時：2019年12月5日 18時
