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「 流星ー、シゲー、 」
隣のクラスで2人を呼ぶのんちゃん。扉を開けるだけでも様になっているようで、女子たちの視線が全集中する。しばらくして、眠そうな流星が目を擦りながらこちらへやって来た。
「 なんや望、朝からどうしたん 」
「 流星、これ誰だか分かる? 」
「 …ん?あー、… 誰やったっけ 」
「 聞いて驚かんといて?これは、神ちゃん です 」
「 神山智洋です。おはよ流星 」
「 …… はっ? 」
案の定、驚きすぎて石になった流星に思わず爆笑。
彫りが深いからモアイみたいなんていうのんちゃんの言葉に、さらに腹を抱えて笑う。
数分経って、流星がようやく動き出す。
「 びっくりした? 」
「 いや、そりゃびっくりするよ。神ちゃん、清楚系やなくてギャルになったんやな 」
「 残念、本性はこっちでした 」
「 ん?俺が来る前はこれやったってこと? 」
「 せやで 」
「 じゃあなんで、本性隠してたん? 」
「 それは…… 、ナイショ! 」
本日2度目の ナイショ 。
うん、もう今日はこれ以上使われへんな。
隣ののんちゃんがきょろきょろと教室中を見渡す。
それに合わせて女の子がソワソワしだしてる。
「 そういえばシゲは? 」
「 あー、まだ来てへんよ 」
「 遅いなぁ。…… って、あれ、ちょうど来たやん 」
廊下の向こうには、欠伸をしながら歩くシゲの姿。
…… あかん、なんか緊張してきた。シゲ、なんて言うんかな。似合ってる?それともかっこいい?いや、1番有力なのは 怖い やな。
「 シゲ!! 」
「 おー、おはよ小瀧、流星も 」
「 シゲー、この子も忘れんといてよ 」
「 この子って… 、 」
目がバチリと合う。シゲは驚いて、1歩後ずさった。
ほらやっぱり、怖がるんや。懐かしいな、逃げられるん。
と微笑んでいると、突然腕を掴まれた。
「 … ちょっと神ちゃん借りるわ 」
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作者名:よもた | 作成日時:2024年1月31日 0時