重岡くんは俺が怖い。 (ページ38)

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のんちゃんと前みたいな関係で関わるようになってからは、充実した毎日を送れるようになっていった。シゲのことを好きになる前の日常が戻ってきたようで。

それと、平穏な日常に戻ってから迷うことなく決めたのは、シゲへの恋愛感情を完全に消すこと。何もかも全部この感情が悪い気がして、もう消してしまいたいと強く願うようになった。

そうしてから俺がしたこと。それは、

「うわ、俺こんなんやったんや…… 」

鏡に映ったのは、眩しいくらい明るい金髪、バチバチのピアス、着崩した制服を身にまとったヤンキー。
そう、恋をする前のあの頃の自分。

シゲを諦める以上、変に彼に合わせる必要は無い。だから、自分の好きな格好で登校することにしたのだ。さすがにサングラスやアクセサリーはいかつすぎることに気づいたからやめた。

生まれ変わった気分。いや、戻っただけなんやけど。

「か、神ちゃん？！」

「おはよ、のんちゃん。変やろか？」

「 …… 変ちゃうよ！前の神ちゃんに戻ったみたいで懐かしい！けど、なんでいきなり、、？」

「ナイショ。ほな、流星たちにも見せに行こかな」

「流星驚いて腰抜かしてまうんとちゃう？笑」

流星にも、もちろんシゲにも。
こんな俺を見たら怖がって友達やめてまうかも。あの時みたいに逃げ出したりして。

そう考えていたら、なんだか笑えてきた。
あ、ほんまに忘れられるかも。

俺はホッと胸を撫で下ろした。