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焼きそばを買うという任務を終えた俺とのんちゃんは、いろんなお店へ行ってこれでもかというくらい満喫してしまった。シゲと流星の存在を忘れてしまうほどはしゃいだ。
「 神ちゃんもうお腹いっぱいやろ？ 」
「 食べすぎてもうた…。けど幸せや〜 」
「 俺も食べすぎた〜 唐揚げとか美味しかったなぁ 」
「 唐揚げもやけど、やっぱりパフェが一番や 」
「 神ちゃん甘党すぎるって〜 」
お腹もふくれて満足。
シゲたちには悪いけど、俺たちをパシッた罰やと思ってくれ。そう悪い考えを持ちながら、ふたりのいる空き教室に向かう。
「 とはいえ、さすがにちょっと遊びすぎたかなぁ 」
「 まぁ焼きそばに加えてたこ焼きも買ったんやし、許してくれると思うで？大丈夫大丈夫 」
若干不安に思いながらも、空き教室の扉に手をかける。すると、中から楽しそうに話すふたりの声が聞こえてきた。
「 なんや、怒ってなさそうや、 」
「 てかシゲ、最近彼女とはどうなん？ 」
扉を開けようとした手が止まる。
…… 嘘やろ、？
「 んー、まあぼちぼち？最近会えてへんねん 」
「 あれ、遠距離なんやっけ？ 」
「 おん。東京で頑張ってるんよ。どうしてもなりたいものがあるんやってさ 」
彼女、彼女、彼女。
何度反芻しても全然頭に入ってこない。
…… 嘘や。やってシゲは俺に「 どんどん好きになれ 」って。そんなん彼女持ちが言うはずない。
「 神ちゃん、 」
「 …… 」
「 神ちゃん、！ 」
のんちゃんの声が聞こえる。
逃げ出したいのに、俺の足は固まって動かない。
「 東京なんて行ってええの。浮気してるかもやで 」
「 そんなこと絶対せえへんって信じてんねん 」
「 そんなに好きなんや？ 」
「 … うん、ほんまに好き 」
シゲの照れたような声を聞いた瞬間、全てが真っ白になった。そんな俺の手をのんちゃんが引き、逃げるようにその場を去った。
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作者名：よもた | 作成日時：2024年1月31日 0時
