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「 フラれた…… ！ 」
「 まぁ、そうやろな〜 」
なんだかんだ腐れ縁ののんちゃんに打ち明けると、あっけらかんとした返答が返ってきた。
「 え、なんで？俺がなんでフラれたか分かるん？なんでやの？男やから？ 」
「 んー、男とか女とかそれ以前の問題かな 」
「 それ以前の問題？ 」
「 神ちゃん、怖いから 」
笑いながらそう答えるのんちゃんに、俺は首をかしげた。…… 怖い？それって俺が？俺って怖いん？やからフラれたん？
のんちゃんは俺にピシッと指を指してきた。
「 その金髪に上がった前髪、見る方が痛いくらいにバチバチ空いてるピアス、目元がうっすらしか見えへんサングラス、色んなとこにジャラジャラついてるアクセサリー、着崩した制服……。どこもかしこも、ヤクザにしか見えへんよ 」
「 や、ヤクザ……！？ 」
ヤクザなんて… 。俺そんなんやない！
小学校の頃からのファッションや！
俺の中では、これがオシャレの最上級。これ以上のオシャレは、絶対にないねん！
そう反論する前に、のんちゃんが苦笑いで言った。
「 それ直さへんと好きどころか嫌われてまうで？ 」
「 きらっ……！？ 」
「 とりあえず、明日から全部直してきたら？ 」
「 あ、あかんよ！俺そんなん恥ずかしくて死んでまう……。ずっとこうしてたんやで？全部直すなんてそんなダサい格好、今さらできひんよ…… 」
「 んー、じゃあ、ひとつずつ直してけばええんとちゃう？明日はサングラス取る、その次の日は前髪下ろす、って感じで 」
不安そうに見つめたのが伝わったのか、のんちゃんは俺の頭をぽんぽんと優しく叩きながら、片方の手で親指を立てた。
「 シゲ、落としたいやろ？ 」
「 …… うん 」
「 なら決まり！神ちゃんかわええねんから、大丈夫やで！ダサないダサない！頑張ろうな〜！ 」
自分より熱のこもったのんちゃんを見て、不安だった気持ちが前向きな気持ちへと変わった。
…… そうや、重岡くんを落とすんや。
そのためには少しずつでも変わらへんと。
待ってろ、重岡くん！！
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作者名：よもた | 作成日時：2024年1月31日 0時
