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息を切らして着いたプールは、星が反射してきらきらと輝いていた。幻想的な空間とは裏腹な彼がプールサイドを走り回る。
「 それぇーッ!! 」
なんの躊躇いもなくプールに飛び込んだシゲ。本当にどこまでも子供なんやな、俺の好きな人は。
子供で無邪気で 、でもちょっとだけ男らしい。
前までは、子供っぽいとか思ったことなかったんやけどな。
「 ほら、神ちゃんも! 」
「 え、ちょっとまだ心の準備がッ、! 」
プールサイドに腰をかけていた俺は、シゲの馬鹿力によりプールに放り出された。おかげで一瞬にしてビショビショ。
「 あははッ!! 笑 」
「 …… 俺、泳がれへんのやけど! 」
「 俺が支えたるから大丈夫や! 」
腰に回された手はやっぱり男らしくてドキドキしてしまう。俺は大人しくシゲの両肩に手を置いた。
「 ほら、落としたる 」
そう言った彼は俺の頬に手を伸ばし、緑色のペンキを拭った。どないしよ、心臓が、
「 ほら、神ちゃんも俺の落として? 」
目を閉じて待つ彼は、月明かりに照らされてより一層輝いて見えた。恐る恐る頬に手を伸ばして拭えば、目を閉じたまま ありがとう と微笑んだ。
そんな姿に心が耐えきれなくなったのか。
俺はシゲの胸に顔をうずめて、
「 好き、 」
言ってしまったのだ。
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作者名:よもた | 作成日時:2024年1月31日 0時