重岡くんは俺が怖い。 (ページ17)

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「「できたー！！」」

喋りながらやっていたら、あっという間に完成。
今日のこと、のんちゃんに伝えたらびっくりするやろうなぁ。数時間で大道具完成させたうえに、重岡くん……やなくて、シゲと仲良くなったなんて。

現在の時刻は午後7時。あたりは結構真っ暗。

「ほんまにありがとうな」

「いーえ」

「今度なんかお礼させて」

「じゃあお言葉に甘えさせていただきます」

ニヤニヤした顔でそう言うシゲが子供みたいで。
かと思えば急に名探偵みたいな顔をしてあっと呟いた。

「神ちゃん、学校閉まるのって8時やろ？」

「？そうやけど、、」

「プール、忍び込もうや」

「は、？」

こいつは何を言うてるん、、？アホか？アホなのか？

「何言うてんねん。プールって、、いまそんな時期ちゃうやろ？」

「ええやん、今日なんか蒸し暑いし〜」

「てかそもそも、そんなことしたら怒られるどころじゃすまへんって。先生そんないないとはいえ、誰かしら見回りしてるやろ」

「今日の見回り、俺やねんてっ」

「アホか！」

「神ちゃんて真面目やけど怒るとやっぱ怖いんやな」

反論しようとしたその時。
またニヤニヤと笑ったシゲが、俺の腕をつかんで袖をまくり、緑色のペンキを塗りたくった。

「なにしてんねん！」

「プールで洗い落とさんといけんな？」

「こんなん、別に水道でっ、」

言いかけた時に、シゲは俺のほっぺたにペンキを塗った。

くやしくなった俺は、赤色のペンキをシゲのほっぺたに塗って仕返しをした。

「 …… ふははっ！笑、神ちゃんやるやん！」

「もう、、！」

怒ってるけど、正直かなり楽しかった。
ずっとこの時間が続けばええのにって思うほど。

「よし、ほないくで！」

「うわっ、ちょっとシゲ！！」

結局、シゲに腕を引っぱられてプールへ向かうこととなった。初めてする悪いことへのドキドキなのか、シゲに触れられてることへのドキドキなのか分からへん心臓には無視をした。