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目を開けると眩しい光に包まれる。
まだ回らない頭で、天井をしばらく見つめてみる。
たしか大道具を一人でやってて、めちゃ疲れたからいったんアラーム3時半に設定して寝て、、
あれ、でもアラームの音で起きてへん。
ということは ………
「 今何時や!? 」
「 5時やで 」
「 ホギャーっ!! 」
時計を見ようとした瞬間に声がして思わず飛び跳ねる。俺の真横からした声の正体は、
「 し、重岡くん、なんでここに…… 」
「 ぁははっ!笑 神山さん、反応おもろすぎんねんけど! 」
「 や、やって…… 」
「 先生に見回り頼まれてん。そんで、この教室で寝とる神山さん見つけた! 」
なんだそういうことか、、
でも見つけて一緒に座ってくれたんはめちゃめちゃ嬉しい、な。しかも背景の色まで塗ってくれて… 、塗ってくれて …?
「 色塗ってくれてるん?! 」
「 暇やったから。てか、これ一人でやってるん? 」
「 あー、まぁ… そんな感じ 」
「 なんで? 」
チャラチャラ軍団に無理やり押し付けられた、って言いたいところやけど…… 、あのチャラ男たちと重岡くん陽キャの部類やし、交流ありそう。もしあったら色々と気まずいな。
「 俺こういうの好きやから一人でやらせてもらってんねん 」
「 …… ほんま? 」
「 ほんまほんま 」
重岡くんが疑いの眼差しを向けてくる。
その目を見てると動揺してバレそうだから顔を逸らした。
「 じゃ、俺も手伝っていい? 」
「 え、逆にええの? 」
「 うん。友達やし 」
と、友達……!!
友達のいない俺はつくづく 友達 という言葉に弱い。
あと重岡くんにも弱い。
「 ありがとう!お願いします、 」
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作者名:よもた | 作成日時:2024年1月31日 0時