重岡くんは俺が怖い。 (ページ13)

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文化祭準備期間が始まり、1週間ほど経った。
しかし、大道具は完成に程遠い。嫌な予感が的中したのだ。

案の定チャラチャラ軍団は真面目にやらなかった。というか、作業場にすら現れなかった。そのため、俺はひとりで黙々と作業をしている。

大道具とはいえ、今回は背景の大きな絵を描くというだけだから、1人でもまぁなんとかなるはなる。やからいない方がありがたいというかなんというか。

そんなことを考えていたら、廊下の方から何人かの声がした。男5人くらいが作業場に入ってくる。噂のチャラチャラ軍団や。

「お、神山やってくれてるやん〜！」

「ガチやん助かるぅ〜〜！！」

「その調子で後も頼むわ！あ、俺ら買い出し行ってくるな〜」

そう言ってすぐに来た道を戻っていく。
確認しに来ただけか。ていうか、買い出しって絶対うそ。だって、必要なもん揃ってるし。

「つーかアイツまじで変わったよな笑」

「わかるぅ〜！前まではバチバチのヤンキーやったけど今は地味男やんな」

「イキってただけやろ！笑」

「イキリ真面目くんか〜！笑」

ゲラゲラと廊下に笑い声が響く。
ほんまに、嫌な連中や。俺のこと何も知らんくせに。

そもそもこうやって頑張ってるの、お前らのためちゃうからな。

「 …… のんちゃんのためやし」

こんなことで折れへんで俺は！
なんせ、一度フラれた経験がある男なんで！
それ以上の怖いことは無いねん！