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鬱陶しいくらいの太陽がこちらを見つめていたその日は、学校が休みの日で。俺は教室に置いてけぼりの宿題プリントの存在を思い出して、わざわざ誰もいない学校へと出向いたのだ。




「 …… あったあった 」




3階にある自分の教室に着いた頃には、汗で頭からつま先までびしょびしょ。今日前髪のセットしてへんくてよかった。

プリントの入ったファイルを握り締めながら、階段を駆け下りる。玄関まで来ると、外の冷たい風とともに、大きな歓声が聞こえた。



声は体育館からするようだった。
それに、床をボールが突く音。

…… バスケの試合やろか?
そういえばのんちゃん、明日練習試合や〜とか言ってたっけ。




「 ふふ、ちょっと覗いてったろ 」




そう思い、体育館の扉の前に行き、中を覗いた瞬間。
バスケットボールがものすごい勢いで飛んできて俺の目の前で 、


止まった。




「 ごめんな〜! 」




にっこりと、けれど少し申し訳なさそうに笑ったその人に俺は見惚れてしまった。時が止まったような、そう、本当に少女漫画のように。




「 …… かっこ、ええな 」




去っていく彼の後ろ姿に、気づけばそう呟いていた。
いつのまにか、のんちゃんのことも忘れてしまっていた。

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作者名:よもた | 作成日時:2024年1月31日 0時

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