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#35 堪えた涙 ページ35

次の日。

体調がよくなったので私は煉獄さんの家に向かった。

縁壱さんは少し蝶屋敷を回りたいと言ったので今日は別行動。

すでに門の前には千寿郎君がいた。

私の顔を見るなり我慢の限界だったのか、堪えてた涙を流し始めた。

私は走って千寿郎君を抱き締めた。


『千寿郎君、千寿郎君ッ……!』

千寿郎「Aさん、あっ、兄上が……兄上があぁッ…!!」


訃報を聞いたときはどれほど辛かっただろうか。

自分の最愛の兄を亡くし、己の無力に苛まれ。

千寿郎君と会うのは二回目なのに、千寿郎君は私を抱き締めて離そうとしない。

私は泣き続ける千寿郎君を縁側に連れて行き座らせる。

私も抱き締め返し、煉獄さんと同じ髪色を撫でる。

暫く泣き続けた千寿郎君が涙を拭うのを見て震える声で私は呟いた。


『煉獄さんは、どこにいるの?』


千寿郎君は抱き締めるのをやめて私に案内してくれた。

千寿郎君は襖の前まで行くとお辞儀をして来た道を引き換えした。

私は襖を開けた。

そこには、白い棺に入る煉獄さんがいた。

そしてその隣に仁王立ちをしている半透明の煉獄さんが。


煉獄「よもや、今度はAが来てくれたか!」

『ッ……煉獄さん!』


私は部屋に入り襖を閉めて、棺の前に座る。


煉獄「うむ、元気そうでなりよりだ」


上から煉獄さんの声が聞こえた。

あぁ、煉獄さんは五体満足で家に帰っている。

鬼に喰われたと思っていたが、五体満足で帰ってきてくれた。


『煉獄さん、煉獄さん』

煉獄「名字より名前を言ってくれると嬉しいなんて死んでしまったから言えないな!」

『煉獄さん……杏寿郎さん…』

煉獄「よもや!名前を言ってくれるとはありがたい!」

『本当ですか、ならば何度でも私は言います。杏寿郎さん!』


私は顔を上げて杏寿郎さんを見ながら言うと、そこには目を見開く杏寿郎さんがいた。


杏寿郎「見えて聞こえているのか?」

『はい。見えていますし聞こえます』

杏寿郎「なるほど!幽霊が見えるとは!」

『自分で幽霊って言っちゃうんですね』


いつもの隊服を着た杏寿郎さんが私の隣に座った。


杏寿郎「俺の姿が見えるのはどうやら君だけだな!他のみんなは見えないようだ!A、君は霊感の持ち主なのか?」

『今までは見えなかったんです。だけど縁壱さんと会ってから見えるようになりました』

杏寿郎「縁壱とは?」

『始まりの呼吸の剣士です』


線香を上げてから、私は杏寿郎に縁壱さんと出会ったことを話した。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 継国縁壱
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灰色サーモン - まってwwwよくよく考えたら縁壱さんの顔で夢主がキャラ崩壊してるwww (2020年5月15日 2時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
名無し61903号(プロフ) - よりよりさん» とても綺麗で艶がある髪ですね。それに着物まで考えておられて素晴らしいです。夢主の容姿はそのようなイメージでいいですよ。私は読者の皆様が考える夢主の姿で物語を読んでもらえると嬉しいのです。気に入りましたありがとうございます(人*´∀`)。*゚+ (2020年3月10日 22時) (レス) id: f947700d9f (このIDを非表示/違反報告)
よりより - https://cdn.picrew.me/app/share/202003/15599_3aYynxVu.png Picrewの 馬酔木ヒカルさんの 和装女子メーカーをお借りしました 夢主ちゃんは こんな感じかなと勝手にイメージしてみました お気に召さなかったらすみません。 (2020年3月10日 22時) (レス) id: f27088ec53 (このIDを非表示/違反報告)
海月ひかる(プロフ) - 設定の所に、子孫と書いていますが、遠いなら末裔では?細かくてすみません (2020年3月10日 6時) (レス) id: 490f2474fb (このIDを非表示/違反報告)
わんこ - 緑壱さんが尊い()神作ですね。更新ふぁいとです! (2020年3月1日 15時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し61903号 | 作成日時:2020年2月22日 13時

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