ご先祖様がついてくる【鬼滅の刃】

#12　嫁三人 ページ12

私は呼吸を整えた。


宇髄「んじゃあ、庚以上になったら来てもらうからな。俺が先に言ったからな」

『何その束縛。貴方奥さんいないでしょ』

宇髄「嫁三人いるわ。舐めんなよ」

『は！？その風貌で嫁三人！？なぜ！？』

宇髄「ヤーイ！お前恋人いないだろ！」

『はあ！？女子に向かってなんてことッ……』

縁壱「埒が明かなくなるぞ」


縁壱さんの言葉に二度目の我に返る。

駄目だ。これ以上話してると収集がつかなくなる。


『もういい……これ以上話してたら明日の任務に支障が出る……』


私は一体何に熱を上げていたのか。

というかなんでこんな饒舌になってるの。


『お引き取りください』

宇髄「んじゃ、庚以上になったら連絡すっからな」

『勝手に人の階級盗み見てるんじゃないよ。泥棒かアンタは』

宇髄「だから忍って言ってんだろ」


はぁ……頭痛くなってきた。

すると宇髄は音もなく部屋から出ていった。

本当になんだったんだあの人。

喋るだけ喋って出ていったぞ。

布団をひいて電気を消す。

寝っ転がりながら私は暗い天井を見上げた。


『縁壱さん……』

縁壱「どうした」

『私、結婚できるのかな』

縁壱「……できるさ」

『添い遂げる殿方は、今じゃなくていいんです。だけど隣にいてほしいですね』

縁壱「そうか」


私はそのまま眠りについた。

朝、というか昼になった。

起きると宇髄はいなくなっていた。

髪を整え、身だしなみをしっかりとして切り火をしてから私は藤の家から出た。


『柱、かぁ……』

縁壱「目指すのか？」

『まぁ、可能なら目指したいですよ。私が柱になったら縁壱さんと同じ日柱なんでしょうか』

縁壱「その可能性は高い」


ほぉ。そうなんだ。

自分の呼吸に合った柱になるんだな、だから柱はみんな違うのかと思いながら私は歩く。


縁壱「それにしても、寝ているときの寝言はあんなにも正確なのだな」

『え？寝言？誰の？』


縁壱さんが私を見てくる。

私！？確かに私しかいないけどさ！


『え、夢の中の私は何て言ってたんですか？』

縁壱「すあまが食べたい、と言っていた。好物なのか？」

『！あ〜〜……好物です〜……』


しまった。

父から頂いたすあま、任務に来て二ヶ月戸棚にそのままにしてた。

絶対腐ってる。

食べ物を粗末にしたせいで怒られるぞ。

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