#29 祝言 ページ29
千寿郎はお茶を持ってくると言って台所に向かった。
私の隣にきた杏寿郎が私の手を握った。
私は少し恥ずかしながら杏寿郎を見る。
杏寿郎「本当に、いいのか?」
いつもの大声とは逆の小さな声。
杏寿郎「俺は……」
私は杏寿郎の唇に人差し指をそっと添えた。
『愛してるよ、杏寿郎』
かあっと赤くなる杏寿郎。
杏寿郎「よもやよもや……俺も愛してる」
唇に添えられた私の人差し指をとり、二人して接吻した。
顔を離して笑い合う。
杏寿郎に抱きつくと抱き締め返してくれた。
『……ありがとう、私のこと、愛してくれて』
杏寿郎「笑顔を取り戻してくれてありがとう」
私の笑顔と家族の笑顔、たぶん両方を言っているのだろう。
千寿郎が襖の前で入る機会を失い固まっていたので手招きして三人して抱き合った。
千寿郎は「姉上ができたみたい」と喜んでいた。
杏寿郎「父上に報告はいつしようか」
『私から言うよ』
杏寿郎「いや、俺からやるとしよう。今の父上は俺たちの言葉を聞いてくれるだろうから」
杏寿郎が私を姫抱きした。
千寿郎は微笑みながら「いってらっしゃい」と言ってきた。
杏寿郎と二人で槇寿郎に祝言を上げる報告をしに行った。
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アリス - 19話の冨が富になっています (2020年3月14日 19時) (レス) id: 935c4787f5 (このIDを非表示/違反報告)
かのん - 冨岡さんの漢字違いますよ (2020年3月3日 16時) (レス) id: 828a7545ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し61903号 | 作成日時:2020年2月3日 0時