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#17 逆らわなかったら? ページ17

無限城に呼ばれた。

そこにはあのお方がいた。

初めてお目にするが、体が勝手に動いて跪いていた。


無惨「貴様が元柱の鬼か」


柱……?

あ、そうだ。

私は確か、鬼狩りをするために……


無惨「数日もしたらここに鬼殺隊が来る。お前はここに留まりここでやつらを殺せ」


逆らったら殺される。

──逆らわなかったらどうなるの?


無惨「……貴様」


あのお方がこちらに来た。

私の体を見ながら自分の顎をさすった。


無惨「貴様、人間を食べすぎて私の血が薄いな」


確か人間のとき、黒死牟からもらった血もほんの少量だった。


無惨「ふむ、血が薄すぎて人間に近いのか」


私は体が震えて何も言えない。

頭の中も真っ白になっている。


無惨「そのまま人間だけを食べ続けたなら、太陽を克服するかもしれないな」

『……はい…』

無惨「血は与えないが丁度いい」


丁度いい?

あのお方は不気味な笑みを向けた。


無惨「下がれ」

『はい……』


ピシャ、と襖が閉まる。

心臓がドクドクと脈打つのは幻聴だろうと自分を誤魔化しながら私は指示に従うことにした。


*???サイド


髪を後ろで結び銀の簪をさし、刀を振るう女がいた。

俺を庇ったせいで髪を切られ傷を負い、簪が壊れた。

女は大丈夫と言った。


「俺は柱だ。なぜ庇った?」


そう言うと女は微笑んだ。

尊敬してるからこそあなたには死んでほしくない、と女は言った。


「簪が壊れてしまったな」


俺のせいで、と言葉をつなげたら女は首を横に振って抗議した。

母の形見(この簪)のおかげで首を斬られずにすみましたしあなたも助かった、と女が言ったのを覚えている。

数年して女が俺と同じ柱になった。

これからも師範の名に恥じぬよう頑張ります、と微笑んだ女。

【惡鬼滅殺】と彫られた刀を誇らしげに大切に磨いていた。

──だけどそれは一瞬だった。

女は上弦を前に敗北した。

柱の継承は絶たれた。

女の訃報を聞いて女の師範の元に最初に行ったのは俺だった。

だけど、そこには死体があった。

蛆が湧き、蠅が集る見るも無残な光景。

俺は大切な二人を同時に失ったのだと気がついた。

すぐに隠を呼び、お館様に訃報を知らせた。


*


記憶なんて、脆いものだ。

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アリス - 19話の冨が富になっています (2020年3月14日 19時) (レス) id: 935c4787f5 (このIDを非表示/違反報告)
かのん - 冨岡さんの漢字違いますよ (2020年3月3日 16時) (レス) id: 828a7545ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し61903号 | 作成日時:2020年2月3日 0時

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