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#13 あの速さ ページ13

???サイド


闇柱が消えてもう数年。

あいつには継子がいない。

そもそも鬼殺隊は明日生きているかすらわからない政府非公認の仕事だ。

明日なんて、くるわけなかった。

縁側に座り俺は空を見ていると、


「父上ー!」


息子が俺を呼びながらかけてくる。

俺と同じ髪色が風になびいている。

だけとその顔は真っ青だ。


「は、母上が、母上が!!」


俺は妻のところへ向かった。

蒲団の中で苦しそうに顔を歪ませている妻。

そのそばでもう一人の息子が泣いている。


「大丈夫ですよ……ただの、熱です」


妻は微笑んだが、辛そうに見えた。


*童磨サイド


『やめてくれるかな?』


そう言ったAちゃんの圧はすごかったなぁ。

喉が痺れちゃったよ。

それに日輪刀で堕姫殿の首まで、一瞬で移動した。

刀を抜いた気配さえ感じなかった。

俺もつい焦っちゃったな。

──だってあの速さ、上弦に匹敵するよ。

堕姫殿なんて驚いてたからね。

もう少しAちゃんの逆鱗に触れていたら首を斬られてたかもしれない。

鬼になったばかりで強さに恵まれるっていいねぇ。

それにAちゃんは黒死牟殿と手合わせしてるからねぇ。

まぁ、鬼になってからあの子はずっと鍛錬してるんだけど。

それにしても……


童磨「Aちゃんと黒死牟殿、何日戦ってるの〜?も〜」

『……三日だ』

童磨「わあ!気づかなかった!」


自分の血で服を汚したAちゃんが俺の部屋に入ってきた。

そして刀二本を置いて破れた着物を脱ごうとするので慌てて止めた。


童磨「ままま待って!!俺これでも男だよ!?ちょっとは女の子の自覚もって!!」

『この着物のせいで負けた。童磨殿、服はないか?できれば動きやすいのがいい』

童磨「あと着替えてよ?え〜っと、あ、この子でいい?」


食べかけの女の子の服を脱がしてあげると礼を言われた。

後ろを向いたら背後から服を脱ぐ音が聞こえてくる。

Aちゃん、他の男の前ではやっちゃだめだよ。

布の擦れる音がやんだから振り返ると女の子を食べていた。


童磨「え?!食べちゃうの?!」

『すまない、お腹が空いてたから……今度お礼するよ』

童磨「あ〜……別にいいよ!信者はたくさんいるから!それでどうだった?黒死牟殿との鍛錬は成果あったかい?」


畳み掛けるように言うと一言。


『……一撃だけ、くらわせた』


……え?

ウソでしょ。

*


童磨殿の瞳、虹色なんだよね……

また話したかったな……

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アリス - 19話の冨が富になっています (2020年3月14日 19時) (レス) id: 935c4787f5 (このIDを非表示/違反報告)
かのん - 冨岡さんの漢字違いますよ (2020年3月3日 16時) (レス) id: 828a7545ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し61903号 | 作成日時:2020年2月3日 0時

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